「クラウド」という言葉が最近、新聞の紙面に頻繁に登場している。 今後の世の中を変える最も重要な技術として台頭している言葉だ。 英語をそのまま解釈すると「雲」だが、まるで雲の中に隠れているようようなサーバーコンピューターで今日私たちが利用する数多くのサービスが実行されているインフラをいう言葉だ。 今は馴染みが薄くても、近いうちに最近誰もが話しているような「スマート」や「ソーシャル」ほど馴染みのある言葉になる日が来るだろう。

しかしクラウドは私たちの生活を場合によっては革新的に変える役割をするため、いろいろと悩んでみる必要がある。 最近は過度に技術に集中した楽観的な話ばかりが聞こえてくるので、根本的な価値基盤の接近が不足しているのが懸念される。 果たしてクラウドコンピューティングはどんな価値があるのか。 まず最も簡単に考えられるのは、企業または個人のＩＴ費用を減らす可能性だ。 企業も個人も有料でソフトウェア費用を商品と同じ形で支払うのはもちろん、これを運用しながら生じる各種管理コストを考えた場合、クラウドコンピューティングを利用すればコスト節減が可能だという点が最も大きな導入理由になるだろう。 企業の場合、外部アウトソーシングを通してソフトウェアやサービスを開発しなければならない場合も、クラウドコンピューティング資源を活用すればそのコストを減らすことができる。

しかしこの程度で終わる問題ではない。 クラウドコンピューティングが導入されれば、技術と関連した産業だけでなく、さまざまな産業の破壊的変化をもたらす可能性もある。 すでにグーグル・アマゾンなどの巨大企業はクラウドサービスのための新しい方式のＩＴ技術を伝え始め、これに向けた大規模な投資を行っている。 クラウドコンピューティングサービスの提供者が新しい市場を開放的に支援することになれば、グローバル基盤の特化されたサービス提供者間の協業が容易に発生し、利益を共有することになると考えられる。 クラウドコンピューティングは参加者の構成が非常に多様でありながらもこれを連結し、革新的なサービスに出会える場を用意することになり、これを通して経済的な活動の革新を誘導する可能性が高い。 アップルのｉＴｕｎｅｓとＡｐｐストアという一種の流通クラウドサービスを見ても、過去には想像もできなかったさまざまなグローバルサービス生態系がすでに形成されていることを私たちは経験している。


【中央時評】責任はアウトソーシングできない（２）