【コラム】脱北テ・ヨンホ公使を「悲運の亡命者」にしてはいけない=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.26 10:45
核とミサイルに執着する金正恩委員長の路線を見ると、北朝鮮エリート階層のさらなる脱北・亡命が続く可能性もある。我々がテ・ヨンホ公使にどう接するかが重要なのもこうした脈絡からだ。テ公使には西側情報機関との接触を通じて第3国に亡命する選択肢があった。秀才級と知られる2人の息子の将来のためなら海外の国を好む可能性も高い。しかし結局は韓国を選んだ。脱北を悩む北朝鮮の核心エリートが、テ公使一家が韓国にうまく定着するかどうかに注目するのは間違いない。
しかし状況は容易でない。北朝鮮問題をめぐる国内の政界と世論の分裂・対立はすでに危険水位を越えた。テ・ヨンホ公使の脱北・亡命をめぐっても政略的な計算を前面に出す兆候がすでに表れている。国家情報院の国会情報委報告を同じ場所で聞いても、与野党のブリーフィングと解釈は異なる。心配なのは1年4カ月後に近づいた第19代大統領選挙だ。各10年間の金大中・盧武鉉政権の対北朝鮮融和政策と李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵政権の強硬路線の激突が避けられない状況だ。