【時論】20年迎える韓国地方自治、成功のための条件(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.12.11 13:49
3番目は権力の委譲だ。住民に関した事案の意思決定権を中央から地方に委譲する地方分権化が地方自治の核心だ。しかしそれだけが全てではない。1つの自治団体内でも上から下への権限委譲がなければならない。そうでなければ地方民主ではなく地方独裁に過ぎない。さらに究極的には、官から民への権限委譲が進められなければならない。それにもかかわらず現在の分権は中央政府と地方自治体の間で、換言すれば官官だけで、それも事務の委譲にとどまっているのだ。だから住民たちの幅広い共感を引き出せずにいるのだ。
最後は地方自治に対する住民教育だ。地方自治は地域住民の自治意識を基本としている。地方自治を実施するからといって住民たちの民主的な自治意識がおのずから高まるわけでは決してない。これまでの地方自治の経験を通じて住民の権利意識は以前よりもはるかに高くなった。だが、それに相応する責任意識と共同体意識はまだ低い水準だ。発達障害を病んでいる今の地方自治を治療するために直ちに必要なことが民主市民教育だ。しかし学校も政府も地域社会も、市民教育を本格的に行っていない。いまだに、そうする意志もないように見える。