【コラム】私たちの心の調絃病=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.01.19 16:48
1980年代の人気ギターグループ「ソルゲトリオ」のメンバーのハン・ジョンソンさんは昨年秋まで公園でごみをあさる路上生活者だった。「まだ終わらない愛」「女人」など今でもカラオケで歌われているヒット曲を作詞・作曲したハンさんはある日突然、大衆の視野から消えた。そのハンさんが調絃病(統合失調症)の路上生活者という事実が知らされると、知人たちがハンさんを助けるために動き出した。この人たちのケアで心身の健康を取り戻したハンさんは今週末、20余年ぶりにまたギターを握ってファンの前に立つ予定だ。
調絃病とは聞き慣れないが、かつては精神分裂症と呼ばれていた。言葉の否定的な印象と社会的な偏見を変えるために2011年に改名された。辞書的な意味は絃楽器の絃を調えるという意で、患者があたかも調整されていない弦楽器のように妄想・幻覚など混乱した姿を見せるということに由来する。世界の人口の1%ほどが調絃病の患者で、韓国国内でも約50万人にのぼる。100人に1人の割合であり、決して少ない数ではない。