<ソウル市公務員スパイ事件>北朝鮮出入国記録、だれが偽造したのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.02.17 11:41
検察によると問題の出入国記録は昨年2月に検察が脱北者でソウル市公務員として特別採用されたユ氏をスパイ容疑で拘束起訴し1審が進められた時は大きな必要性がなかった。当時検察がユ氏に適用した容疑が「2006年5月27日に中国からこっそりと豆満江を渡って北朝鮮に密入国しスパイ教育を受けて帰ってきた後、脱北者200人余りの身辺情報を北朝鮮に渡した」ということだったためだ。ところがユ氏が北朝鮮で教育を受けたとされる時期に中国で撮影した携帯電話の写真などが出てきたことで1審では無罪が言い渡され、出入国記録が重要となった。これに対し昨年6月から検察は直接正式な外交ルート(瀋陽総領事館)を通じてユ氏の出入国記録確保に出た。だが、中国公安当局が「外国政府に出入国記録を発行した前例はない」として拒否し失敗した。その後国家情報院が現地要員を通じ9月末と10月中旬の2度にわたり中国公安当局によるユ氏出入国記録を確保したという。
このうち昨年9月末に入手したものは発行所の表記や官印がない。ユ氏が2006年5月23~27日に母親の葬儀のため北朝鮮に行った後、再び北朝鮮に行ったという記録は存在しない。弁護団が入手したユ氏の出入国記録と同じだった。ところが昨年10月中旬に国家情報院が「和竜市公安局の職印と公証印まで押された出入国記録を入手した」として検察に渡した記録は異なる。ユ氏が5月27日午前に中国に戻ってから52分後に国境出入国管理所を通じ再出国し、6月10日に帰ってきたものと出ている。結局ユ氏の出入国記録は2006年5月27日~6月10日にユ氏が北朝鮮にいたかを糾明する唯一の証拠となる。