韓国扶余陵山里古墳群発掘 2基は百済王陵級
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.21 07:50
扶余陵山里(プヨ・ヌンサンリ)古墳群で百済王陵級と推定される古墳が確認された。韓国文化財庁〔庁長・羅善華(ナ・ソンファ)〕は6月から忠清南道(チュンチョンナムド)扶余陵山里古墳群の西側地区で発掘調査を進め、これまで知られていなかった3基の墓を新たに発見し、記録だけで存在していた4基の墓の正確な位置を特定したと20日、明らかにした。また、すでに発見されている4基の古墳のうち2基は王陵級の古墳である事実も新たに確認した。
扶余陵山里古墳群は日帝強占期に3回(1915年、1917年、1937年)調査が実施されて計15基の古墳が確認された。その後、1960年代に封墳(地上の盛り土がされている部分)を整備するなかで古墳2基が新たに確認され、現在まで計17基の古墳があることが分かっている。ところが今回の調査で古墳3基の存在が新たに確認され、ここに発掘調査された古墳2基が王陵級である事実まで確認されたことを受け、今後調査が終了すれば百済王陵の築造技法まで確認できるものとみられている。陵山里古墳群は昨年7月に百済王陵としての価値を認められ、他の百済遺跡とあわせて百済歴史遺跡地区として国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産にも登録された。
今回の発掘調査で見つかった2基(8・10号墳)は直径が15~20メートルで、横穴式石室の構造を持っている。また、百済の王陵級墓で護石(墓を囲む石)が確認されたほか、古墳入口から遺骨を安置した部屋に続く羨道の門の外には漆とメッキの跡がある木棺彫刻と金銅のクギが見つかった。木棺の樹種は武寧王陵などでも見られた金松であることが明らかになった。