俳優カン・ドンウォン、4年間研ぎ澄ませてきた冷酷で優雅なその“剣”(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.17 15:10
カン・ドンウォンは『群盗』で悪役を演じながらも逆説的に美しく強烈な魅力を見せている。チョ・ユンは貪官汚吏を操り民から米一粒も絞り取るような姿を見せる一方、朝鮮最高の武芸能力を誇る人物だ。カン・ドンウォンは撮影に入る4カ月前から長剣アクションを基本技から学んだ。初めは木刀を持って振り下ろす姿勢に2カ月を費やした。カン・ドンウォンは「この映画に出てくる俳優の中で体力は私が一番あるようだ」と笑った。「エクササイズをしっかりとやっていたからか、アクションシーンの撮影の時は大変とは感じなかった。自分のアクション動作がとても早いと武術チームが不満を言うこもあった(笑)」。
ほっそりとした体の線と目に力のある表情でカン・ドンウォンが見せるアクションは自然に視線を釘付けにする。特に暗い夜に長い髪をほどき、女優に劣らない美貌で剣を振り回す場面は試写会直後から話題になっている。「扮装をもう少し男らしい感じにしてもいいのではないかと思ったが、扮装担当者がこの場面のチョ・ユンは美しくなければならないとあくまでこだわっていた。ユン・ジョンビン監督はその頭で映画をもう1本撮ろうと話していた」。映画の最後には庶子として育ち、父親から認めてほしいと渇望したチョ・ユンの隠れた人間らしい内面も現れる。チョ・ユンの魅力とそのバックグラウンドが浮き彫りになると、彼を罰する結末の痛快さが半減する印象すらもつようになる。生きるのがやっとの民が先を争って盗賊になる荒々しい世相も映画の背景にすぎない。最近の韓国映画史劇がしばしばそうだったように、時代的・社会的な含意が込められたメッセージを期待した観客なら惜しむべき部分だ。