中国遼寧省瀋陽市のロッテ百貨店１階の特別展示館。１７日午後１時ごろ、ここにおよそ１０００人の人々が集まった。準備された会場が手狭だったため、２階と３階手すりに捕まっている人々も多くいた。彼らは韓流スターの歌手ニコルを見るために集まった中国の韓流ファンだった。ニコルを応援する蛍光色プラカードを振りながら歓呼した。

この日のイベントは「韓流スターファッション・ビューティー融合輸出ロードショー」というタイトルで進行された。大韓貿易投資振興公社（ＫＯＴＲＡ）が中小企業の韓流マーケティングを支援するために主催したものだ。広報大使に任命されたニコルは人気グループＫＡＲＡの元メンバーで、ソロデビュー後も日本や中国で人気を集めている。ニコルはノーギャラで中小企業１６社の製品を写真集を通じて紹介して、２６００万ウォン（約２６８万円）相当の中小企業製品３５００点余りを瀋陽市の自閉児童福祉施設に届けた。

今回のイベントにはファッションやビューティーなど韓流ブームの恩恵を受けている有望中小企業２０社と現地輸入業者９３社が参加した。法大出身で司法試験の準備をしていた時、靴デザインの公募展で入賞して起業した「パルグムファン」のチョ・ソンウン代表（２８）は「資本金５０万ウォンで会社を起こし、今では月４００万ウォンほどの利益を出しているが、まだまだ不十分」とし「ＫＯＴＲＡのおかげで一人では難しい中国輸入業者との商談の機会をつかむことができた」と話した。ある中国人輸入業者は「新しい企業を探す素晴らしい機会」と話した。

これに先立ち、ＫＯＴＲＡは前日開かれた事前懇談会に参加した企業を対象に、知的財産権保護に関連した説明会も開いた。中小企業が他社による商標無断登録や模造品流通などで被害を受ける事例が増えていることから、これを予防しようと設けられた説明会だ。ＫＯＴＲＡは海外知識財産センター支援事業を通じて商標やデザイン出願費用、模造品流通の取り締まり費用などを支援している。

イベントを主管したＫＯＴＲＡのチョン・ビョンソク新事業支援室長は「遼寧省や吉林省、黒龍江省など東北３省は地理的にも文化的にも韓国と密接な関係にある」とし「この日の行事が韓中自由貿易協定（ＦＴＡ）時代を迎えて中小企業がもっと積極的にこの地域に進出できる起爆剤になることを期待する」と話した。