【コラム】ケリー米国務長官の訪韓が残したもの(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.05.25 14:23
問題はこうした状況を平壌(ピョンヤン)がどのように見ているかだ。答えはほぼ間違いなく「良くない(not good)」だ。まず、北朝鮮政治体制はまだ転換期をたどっている。転換期には不確実性が伴う。韓国情報機関は玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長が処刑されたと主張し、批判を受けた。しかしデイリーNKが収集した情報によると、玄永哲の処刑は北朝鮮労働党会議で公開的に議論された。内部的にリスクがあれば外部の世界に強く見せることが重要だ。最近頻発する北朝鮮のミサイル試験や核能力の誇示は、北朝鮮の国内政治と関係があるはずだ。我々が理解できずにいる部分もあるだろう。
こうした状況でさらに追加されるものがある。国連北朝鮮人権調査委員会(COI)の北朝鮮人権報告書を基礎にした国連の北朝鮮人権決議案、米韓連合訓練などだ。これに加え、サイバー脅威などを理由に強化される可能性まである対北朝鮮制裁、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の展開に対するケリー長官の公開的な言及、さらには金正恩(キム・ジョンウン)を国際刑事裁判所(ICC)に立たせようという構想などだ。北朝鮮は追い詰められた心情だろう。