しかし米国車の価格引き下げが販売増加につながるかは未知数だ。韓国の輸入車市場はドイツ車と日本車が中心で米国車の影響力がわずかなためだ。米国車のシェアは１０月までで７．７％にすぎない。昨年同期の８．４％より０．７ポイント下がった。

輸入車購買者だけではない。一部自動車保有者は毎年納付する自動車税負担も減る。韓米ＦＴＡで排気量により現在５段階になっている自動車税が３段階に単純化されるためだ。小型車の一部（８０１～１０００ｃｃ）と大型車（２０００ｃｃ以上）の保有者が払う自動車税がｃｃ当たり２０ウォン減る。

ネット通販で米国製品を購入しても同じく関税の恩恵を受けられる。ビタミンやオメガ３など米国の健康機能食品を海外のインターネットサイトや購入代行業者を通じて購入するケースが最近多い。これら品目の現行関税８％は毎年１．６％ずつ５年間にわたり縮小される。

敷居が高かった韓国の法律市場にも競争が本格導入される　来年は米国の法律事務所と米国の弁護士が「外国法諮問法律事務所」や「外国法諮問士」という名称で韓国市場に進出できるようになる。３段階の開放のうち１段階目の措置だ。税務・会計分野も同じように開放される。政府は、「消費者がもう少し多様な法律・会計諮問サービスを受けられるだろう」としている。米国ドラマ愛好家にも良い知らせがある。米国の放送チャンネル事業者が韓国でも放送事業ができるようになった。「プリズンブレイク」のような米国人気ドラマを米国と同時に韓国でも放映することができるという話だ。

ＦＴＡの核心キーワードは開放と競争だ。開放で競争圧力が大きくなれば間違いなく勝者と敗者がわかれる。李明博（イ・ミョンバク）政権の最近の国政基調である「共生発展」「共生」に対する要求、さらには「ともに生きる人生」に対する飢えも大きくなるだろう。競争を眺めるわれわれのＤＮＡの二重性も問題だ。「私は歌手だ」「スーパースターＫ」など他人の競争を眺めて快感と面白さを感じながらも、自身が競争に露出するのは嫌いだ。ソウル大学行政大学院のチェ・ビョンソン教授は、「誰も本能的に競争は嫌いだが、競争がなければ競争力もない。競争がなければキム・ヨナや崔京周（チェ・ギョンジュ）のような選手が出てくることもなかっただろう」と話した。彼は「ＦＴＡ時代には大変でも“知らなかったことを見つけ出す”競争の美徳を受け入れる肯定的な思考が必要だ」と助言した。


競争がキム・ヨナを育てたように…経済韓流を見せる機会（１）