過去のダイエットの核心は食欲との苦痛な戦いだった。しかし今はもう少し戦略的だ。一日一食ブームの始発点である日本で、最近食べる順番を変えるだけでやせるというダイエットが関心を集めている。関連図書の『食べ順爆発ダイエット』はベストセラーとなった。

著者のフィジカルトレーナー石川英明氏は食事をする時に食べ物の種類別に順に食べればやせるという論理を展開する。例えばサラダのような野菜を先に食べ、血糖値を急激に上げる麺・コメ・パンのような炭水化物は最後に食べるというようにだ。

ステーキを例に挙げると、「サラダ－ピクルス（醗酵食品）－味噌汁（植物性たんぱく質）－ステーキ（動物性たんぱく質）-ポテト（炭水化物）－ご飯（炭水化物）」の順に食べる。

食べ物の量やカロリーとは関係なく、食べる順番だけでやせるのだろうか。ソウル白病院のカン・ジェホン教授（家庭医学科）と東国大一山病院のオ・サンウ教授（家庭医学科）の助言で「食べ順ダイエット」の虚と実を探ってみる。

◆血糖値を調節すればやせるのか

血糖は血液の中のブドウ糖の濃度をいう。血糖値は食べ物を食べれば急激に上がる。インスリンは血糖が過度に上がらないよう調節する。一般的に血糖は食後１時間後に最高値に到達して徐々に落ちる。グリセミック指数が高いものを食べて血糖が突然高まれば、人体は血糖を早く落とすためにインスリンを一度にたくさん分泌する。インスリンが血糖を急激に落とせば、人体は空腹を感じる。この時に欲しくなるのが血糖をすぐに上げるパンや菓子のような食べ物だ。一方、グリセミック指数が低い野菜などは血糖を緩やかに調節するため、食欲が過度に上がらない。したがって石川氏の理論は十分に根拠がある。

◆インスリンの分泌が多ければ体重調節は難しいのか

インスリンは脂肪の分解を妨げるホルモンだ。したがってインスリンがたくさん分泌されれば肥満調節が難しくなる。インスリンの分泌を減らし、血糖を高めないものを食べるのがよい。こうした意味で野菜を先に食べれば血糖がゆっくりと上がる効果がある。正しい内容だ。

◆野菜・たんぱく質の間に食べる醗酵食品の効果は

学界から出た明確な研究結果はない。ただ、醗酵食品に消化を助ける酵素が多く含まれている。消化液を活発に分泌させるため、たんぱく質・炭水化物を食べた時によく消化する。