【コラム】戦争を防いで経済を活性化してこそ本当の大統領だ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.08 14:18
2日後には大韓民国第19代大統領が政権移行期間もなく前任者が任命した長官と青瓦台(チョンワデ、大統領府)参謀に囲まれて就任演説をすることになる。頭の中は候補時代に票を受けるために準備した改革課題と政策推進日程で満たされている。残念ながら少数与党が足かせとなる。どうするべきか。急がば回れだ。2000年ほど前に内戦を収拾して「パクスローマーナ」(Pax Romana)の黄金時代を開いた古代ローマの初代皇帝アウグストゥスの座右の銘「ゆっくり急げ」(Festina lente)を吟味してほしい。
弾劾のため急いで行われた大統領選挙で、候補は支持層を結集させるために責任を負えない甘い公約を次々と出した。しかし共同体の舵取りとなった大統領は候補とは次元が違う存在だ。全体のために利他性を発揮してこそ本当の大統領になることができる。そのために自らを空にする熟考の時間が必要だ。自分を支持しなかった人たちの挫折と熱望をまず考えながら、新しい枠を組まなければいけない。
大統領は聖職者とは違って厳しい現実に投げ出された政治家だ。徹底的に結果で評価される。マックス・ウェーバーは著書『職業としての政治』で、政治家は最も重要な手段が強制力であるため、すべての暴力性に潜伏している悪魔的な力と関係を結ぶことになると述べた。それで大義を実現しようとする信念倫理だけでなく、結果に対しても責任を負う責任倫理もともに備えることを注文した。支持者を熱狂させる原則に劣らず反対者の協力を引き出す妥協が重要である理由だ。