【コラム】奇怪な北朝鮮体制の奇異な悲劇(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.16 13:48
北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)の死は衝撃だ。北朝鮮体制は奇怪だ。奇怪さは奇異な悲劇を産んだ。それは朝鮮時代の王子の乱を思い起こさせる。宮中の権力暗闘は流血を伴った。無力な皇太子の殺害は異母兄弟・金正恩(キム・ジョンウン)の指示であろう。その毒殺は最高指導者の決心で可能だ。
北朝鮮の名称は「朝鮮民主主義人民共和国」だ。だが、共和国はかなり以前に消えた。北朝鮮の人権は最悪だ。人民は抑圧統治の対象に過ぎない。共産主義は世襲を拒否する。かつての社会主義宗主国・ソ連では権力の家族継承がなかった。金正男の見解はそれと同じだった。「世襲は世界の笑いものになる。3代世襲は封建王朝時代を除いては前例がなく、社会主義に合わない」〔『父・金正日と私:金正男独占告白』、著者・五味洋治(東京新聞)〕という認識は金正恩を激発させたに違いない。