ＫＤＩは異例にも成長率３．５％に但し書きを付けた。「世界経済が予想通りに回復し、韓国政府のマクロ経済政策が円滑に実行される場合に可能な数値」という説明だ。こうした条件がそろわなければ成長率は３％台初めまで落ちかねないと強調した。対外的には▽ユーロ圏の長期沈滞▽中国経済の急速な成長鈍化▽地政学的リスク拡大にともなう原油価格急騰――を不安要因に挙げた、対内的には崔ギョン煥経済チームの内需活性化対策が適時に展開されなければ拡張財政効果を半減させるとの見方を示した。

ＫＤＩは低物価・低成長克服のために韓国銀行の変身を促した。韓国銀行が年２．５～３．５％の物価安定目標順守に対する意志を表明し、物価下落にもっと積極的に対応しなければならないという主張だ。通貨当局の物価見通しが現実より過度に楽観的だったという批判を付け加えてだ。ＫＤＩのチョ・ドンチョル首席エコノミストは、「物価目標が高ければ現実的に若干低くするのも悪くない。目標値が実際の物価上昇率と大きな開きがないようにするのが通貨当局の市場信頼を守る一方でデフレ懸念を解消する第一歩になるだろう」と説明した。

韓国政府に対しては、拡張的財政政策とともに公企業の統廃合のような画期的な公共部門の構造調整を推進しなければならないと助言した。長期的な財政負担を減らすための公的年金改革と、さらに深刻化する税収不足を解決するための税源拡大対策も必要だと付け加えた。これと合わせ個人負債の不良化を防ぐための代案も提示した。短期・一時償還構造の貸付を長期・分割償還方式に変えて、未来の所得の流れを考慮して総負債償還比率（ＤＴＩ）を算定する方式だ。


ＫＤＩ「来年の韓国の成長率、３％台初めに下がる可能性も」（１）