<ノーベル賞の話>ノーベル賞を受賞しようとするなら(1)個人よりインフラに優先投資=韓国(上)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.03 10:07
今年、日本と中国からノーベル賞受賞者が出ると韓国社会のあちこちから「私たちは何をしているのか」という嘆きと共に、メディアは記事や社説で各種批判と注文を出した。政府は10月22日に開かれた大統領主宰の科学技術諮問会議でノーベル賞を受けるほどの科学者を1000人程度育成するという計画を出した。
民間の要求を要約すれば簡単だ。より多くの予算を投じて実用化をあまりねだらず、基礎科学に投資して早期の成果を要求せずに長期間支援しようということだ。どれもふさわしい言葉だが、すでにかなり以前からしてきた話なので政府もこれ以上の妙案はないだろう。今や何が問題なのかをもう少し根本的に眺めて対策を立てるべき時だ。割れた器にいくら水を注いでも再び漏れ出るからだ。
まず科学は「論理と実験で成り立ってきた長い旅程」であり、ノーベル賞はそうした「歴史」の蓄積から生まれる産物だという点を念頭に置かなければならない。長い間ほかの科学者が積み上げてきたデータを活用してアイデアを出し、仮説を作って実験で証明する過程を経る。相当数のノーベル賞の業績は、当代の科学でとても重要なイシューについて良い仮説やアイデアを持ってこれを実験で証明したという共通点がある。その時代の最も気になる謎が何かを把握して仮説を立てる能力がある人を輩出するためには、教育環境と文化が重要であり、実験を実際に遂行するには施設とインフラすなわちお金が必要だ。