【コラム】韓国の今後100年は科学技術の人材養成次第
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.04.22 10:15
直観力を持った新概念人工知能「アルファ碁」の衝撃的な登場がもたらしたその後の影響は絶大だ。5世代通信、モノのインターネット(IoT)、人工知能などの革新技術を既存産業に適用して生産性を最大化する新たな産業パラダイムである「4次産業革命」がこれまでのどのような変化よりもスピーディーに、そして広範囲にわたって我々の生活を一変させるだろう。
4次産業革命の高波を克服し、国家競争力を高めるための最善策は、既存の固定概念を打ち崩すような創造的、革新的挑戦であり、これを可能にするのはまさに科学技術者の力だ。
では未来100年を左右する科学技術の人材はどのように育成していくか。
未来創造科学部はことし初めに「第3次科学技術人材育成・支援基本計画」を発表し、「挑戦する科学技術人材」の育成に拍車を加えている。科学技術人材の就職・起業力の強化、理工系大学の競争力強化、科学技術者のキャリア開発および活動基盤の拡大、未来人材の創意的力量の向上、科学技術潜在人材の活用最大化など、科学技術人材の成長・支援体系を構築するものだ。
特に、我が国の工学教育の問題点と指摘されている理工系卒業生の専攻知識の弱さや現場問題解決能力の不足などを解消するために、専攻教育時間の拡大、産業連係教育の活性化、学制間の融合専攻の新設および未来難題解決のための先導的研究などを体系的に支援する。また、優れた研究成果の起業・事業化のために科学技術の起業人材の養成に必要な企業家精神の育成および産学のつながり強化などを核心とする「起業オーダーメード型 学・修士統合過程」を科学技術院〔KAIST(韓国科学技術院)、GIST(光州科学技術院)、DGIST(大邱慶北科学技術院)、UNIST(蔚山科学技術院)〕を中心に導入する。さらに、創造経済革新センターと連係して起業に必要なすべての支援が一カ所に集結されたワンストップ起業プラットホームを構築する考えだ。
また、優れた女性人材の科学技術分野への進出およびグローバル競争力の強化を支援し、女性科学技術者がキャリア断絶を心配せずに思う存分その力を発揮してもらえるように女性にやさしい雇用の拡大と起業促進戦略も併せて推進している。
未来世代に対する科学教育も強調している。幼少世代の計算論的思考(Computational Thinking)の確保のためにソフトウェア(SW)教育を強化し、科学エリートの発掘・育成と全国の科学館などを拠点にしたさまざまな創意体験・探求教育プログラムを併行して、子供・青少年の誰もが科学技術に対する基礎素養を身につけられるように支援する。
さらに、科学・創作文化の大衆化のためにこれまで青少年中心に行われてきた科学文化活動の支援対象を成人にまで拡大させる一方、国民がもっと親しめるような科学文化コンテンツを開発する考えだ。
企業家精神を基に新産業を興して新たな市場と雇用を創り出す挑戦的な人材。彼らが作り出す100年後の大韓民国の姿を期待してみたい。
崔陽熙(チェ・ヤンヒ)未来創造科学部長官