【社説】国防長官・陸軍参謀総長、過酷行為の責任を取るように
陸軍の訓練所で、中隊長が訓練兵192人に人糞を食べさせる、という前代未聞の過酷行為事件が発生した。一部訓練兵がトイレの水を流さなかったとし、綱紀確立の名目から、こうした過酷行為を行なった。これまで軍内では、殴打など様々な過酷行為が行なわれてきた。しかし、今回の事件は、野蛮性をこえ「人間性破壊の犯罪」の性格まで帯びている。
精神分裂症的な中隊長の脱線、と受けとめざるを得ない。こうした非人間的な脱線が、いかにして監督なしに行なわることができたのかは、システムの問題に思われる。事件発生から10日が過ぎるまで、訓練所指揮部をはじめ軍情報・捜査機関が全く認知できずにいたという。
1~2人でもなく192人がかかわっていたにもかかわらず、本当に知らなかったいうならば、情報収集のシステムや訓練所の指揮系統に異常があるのだ。上部が知っていながらも、隠ぺいしたのではないか。同事件で、軍に対する不信感がさらに深まるだろう。敵軍の捕虜に対しても、こうした行為はできない。