【社説】「国家元首の権力私有化」…李明博元大統領の重刑に複雑な思い
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2018.10.06 09:56
李明博(イ・ミョンバク)前大統領に昨日、1審の判決公判で重刑が言い渡された。大統領在任時に賄賂・横領などの犯罪行為をし、その過程で国家権力を私有化したと判断し、厳しい判決を下した。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の有罪に続いて李明博元大統領まで元大統領の受難史を眺める国民は惨憺たる心情だ。
裁判長のチョン・ゲソン部長判事はテレビで生中継された判決公判で16件の公訴事実のうち7、8件を有罪と認めた後、77歳の被告に懲役15年、罰金130億ウォン(約13億円)を言い渡した。自動車部品会社DASの資金横領を有罪と認め、サムスングループが代納したDAS米国訴訟費とイ・パルソン・ウリィ金融持株会社会長から受けた現金を賄賂と判断した。特に2007年の予備選挙当時から提起された「DASは誰のものか」という国民的な疑惑に対し、「李元大統領が実際の所有主」という初の司法的結論を出したという点が目を引く。裁判所は「被告がDASの実際の所有者であり、不正を指示したという事実が十分に認められる」と伝えた。こうした判断が大法院(最高裁判所)で確定する場合、李元大統領が財産をだまして当時のハンナラ党候補に選出され、大統領に当選したという「大統領無資格論争」を招くとも考えられ、さらに問題が広がらないか懸念される。