【時視各角】朴槿恵の強硬姿勢に慌てた金正恩(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.08.25 14:30
朴槿恵(パク・クネ)大統領(以下、敬称省略)の北朝鮮に対する強硬姿勢に3度も驚いた。まず、軍服姿で第3軍司令部で「政治的な考慮なく対応するものの、先に措置を取った後に報告しなさい」と述べた。全面戦争まで覚悟した統帥権者の劇薬処方だ。2つ目、地雷挑発で対北朝鮮拡声器を使用した点も驚く。一部で「口(拡声器)で報復するのか」という声があったが、真実は正反対だ。2010年5月27日当時、鄭正佶(チョン・ジョンキル)青瓦台秘書室長に会ったことがある。李明博(イ・ミョンバク)大統領が韓国哨戒艦「天安」報復として対北朝鮮拡声器を設置した直後だった。ところが鄭室長は「拡声器を使うにはあまりにも危険だ」と語った。
「一昨日、北の中部前線司令官が『拡声器照準撃破』声明を出した。金正日(キム・ジョンイル)が掌握する共和国・国防委員会の声明だったなら気にせずに使った。問題は中部司令官は撃つなら撃つしかない人物だ。撃たなければ金正日(キム・ジョンイル)に粛清されるため、やけくそになって撃つ可能性がある」。 拡声器はうやむやになった。その対北朝鮮拡声器を朴槿恵は使った。北の心臓を突き刺す度胸だ。
3つ目、K9自走砲の反撃にも驚く。北朝鮮は金正恩を「砲兵術の天才」と言った。砲兵課程を最優等で卒業し、「衛星利用測位システム(GPS)を利用した砲撃」論文も書いたと自慢した。これが事実なら、彼にとって延坪島(ヨンピョンド)砲撃はぞっとするトラウマだ。砲兵として服務した将兵は人工衛星の写真に隠れた真実をすべて知っている。
衛星写真を見ると、北朝鮮は延坪島軍部隊に122ミリ放射砲(ロケット砲)を、76.2ミリ平射砲は民間居住地に撃った。170発のうち90発は海に落ち、残りの80余発のうち20余発は不発弾だった。また放射砲の弾着群は150-600メートルの大きな誤差を出し、平射砲も150-340メートルの誤差を見せた。定着スパイを通じてあらかじめ正確な標的を取得したはずだが、とんでもない射撃の腕前だ。これに比べて13分後の海兵隊のK9自走砲対応砲撃は大したものだった。対砲兵レーダーが故障し、1次砲撃は茂島に向かった計画射撃(あらかじめ定めた座標射撃)、レーダーが稼働した2次はケモリ陣地に向かった臨機標的射撃(突然の目標射撃)だった。全80発のうち45発の弾着点が確認された。ここに海兵隊が衛星では弾着点の確認が難しいDPICM弾(空中10メートルで爆発する拡散弾)まで撃った点も勘案しなければならない。
【時視各角】朴槿恵の強硬姿勢に慌てた金正恩(2)