【時論】フォルクスワーゲンのクリーンディーゼルは蜃気楼だった(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.12 13:17
そしてこうした陰謀が果たしてCEOの認知なくして行うことができるかに対し疑問が起きる。さらにCEOだったマルティン・ヴィンターコルンは研究開発部門で働き細かいところまで指示することで有名だ。専門経営者であるヴィンターコルンは人事権を持つ経営監視委員会に実績を見せなくてはならないプレッシャーがあった。専門経営者の宿命的なくびきだ。こうした状況で専門経営者は欺瞞の誘惑に落ちやすい。偉大な詐欺師はみんなが自分を信じるようにする。私たちみんながフォルクスワーゲンとアウディを信じた。しかしもう彼らが何と言っても信じられない。信じるオノに切られた足の甲は傷よりも心の痛みがもっと大きいためだ。
韓国の自動車メーカーはどうだろうか? はたして信頼できるだろうか? 自動車メーカーではエンジニアが新車開発スケジュールに合わせ燃費と環境基準をクリアしなければならない。安全性と品質も確保しなければならず、同時に原価目標も合わせなければならない。血がにじむ業務だ。そのため私たちもひょっとして欺瞞の誘惑に落ちないだろうか心配になる。しかし韓国の会社では意図的欺瞞が起きるのは容易でない。大企業集団は常に社会的監視下にある。韓国の自動車メーカーがフォルクスワーゲンとアウディに比べ順法精神が強いということでない。韓国のエンジニアが謙虚だということでもない。社会的圧迫が韓国大企業にとって欺瞞させにくくするためだ。