【時論】国民参加の改憲が答えだ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.29 16:13
韓国の憲法改正が難しい局面に立たされている。国会改憲特別委は、全国11地域で国民公聴会を開いて国民を代表する5000人を選抜した後、4回にわたって円卓討論を行って国民意見を取りまとめるという。だが、このような努力を通じて与野党間で意味のある合意案を引き出すことができるかどうかは疑問だ。国民の声を聞くという趣旨だが、ややもすると国民の葛藤だけを確認する結果をもたらしかねないためだ。これまで特別委は、帝王的大統領制の弊害を克服するために分権と協力政治が必要だという原則に合意はしても、実際に具体的な政府形態の議論に入ると、政派的利害関係のためなのか、一歩も前に進むことはできなかった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も最近、「最小限の地方分権と基本権のための改憲に合意できない理由は何もない」としつつも「中央権力構造の改編のための改憲には、(政界の利害が異なり)より多くの議論が必要かもしれない」と一歩後退した。
このような状況が続く限り、政界の合意がますます難しくなって改憲が水の泡になったり、うまく進めても半分の改憲に転落する可能性が濃厚だ。基本権や地方分権も重要だが、権力構造の改編が改憲の核心という事実は誰も否定できない部分ではないだろうか。憲法改正の必要性が提起されたのも、帝王的大統領制の弊害を克服するためだった。過去、権力構造に対する改憲が一部の政治家の政略的意図によって進められて国民に否定的に映る面があったが、権力構造が改憲の核心的事項であることは明らかだ。事実権力構造改編なしで基本権の完全な保障も期待できない。基本権は権力の正しい行使を通じてこそ保障されるためだ。