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宇宙誕生の謎を解く「暗黒物質」、これさえ発見すればノーベル賞だが=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.29 08:24
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2月の重力波発見以降、物理学界の関心は「宇宙の謎の物質」と呼ばれる暗黒物質に集まっている。暗黒物質は重力波と似ている。重力波はアインシュタインが100年前にその存在を予想したにもかかわらず、実際の発見にいたるまで険しい旅程が続いた。暗黒物質も同じだ。多くの科学者が存在を認めているが、その姿を現さない。韓国は2003年から暗黒物質検出器を稼働し、これに挑戦している。今年春から2つ目の暗黒物質検出器が作動を始める。江原道襄陽郡(ヤンヤングン)揚水發電所地下トンネルにある基礎科学研究院(IBS)地下実験研究団で暗黒物質と宇宙の秘密を探った。

22日、江原道襄陽郡の点鳳山(チョムボンサン)。四輪駆動の車に乗って地下トンネルを2キロほど走ると、巨大な花こう岩の洞窟が現れた。地下実験研究団が運営する暗黒物質検出器は地下700メートル地点に設置されている。やや寒い初春の外の天気とは違い、洞窟の内部は暖かかった。この研究団のカン・ウング博士は「年中、気温が20度ほどで維持される」と説明した。岩の間から染み出てきた地下水が床を濡らした。地下洞窟は国内最大規模の襄陽揚水発電所を建設しながら設置された。研究団はここの一部の空間を借りて使用している。英語でダークマター(dark matter)と呼ばれる暗黒物質は文字通りまだ正体が明らかになっていない。科学者は1970年ごろから暗黒物質が宇宙のあちこちに広がっていると推定しているだけだ。カン博士は「中性子など我々が物質と呼ぶのは宇宙全体の4%にすぎない」とし「残りの96%は正体が明らかになっていない暗黒物質と暗黒エネルギー」と述べた。太陽系を例に挙げると、太陽と地球の間の我々が何もない空間と考えるここを暗黒物質と暗黒エネルギーが埋めているのだ。

 
暗黒エネルギーは重力に反する力だ。重力が物体を引き寄せる「引力」なら暗黒エネルギーは押し出す力「斥力」だ。大爆発のビッグバン(big bang)の発生の原理が分かれば、暗黒物質と暗黒エネルギーも難なく理解できる。中学・高校の科学の時間に習ったように宇宙は138億年前のビッグバンの瞬間から今まで膨張している。さまざまな天文学の観測結果によると、宇宙膨張速度は徐々に速くなっている。科学者はこうした膨張を可能にする力の源泉を暗黒物質と暗黒エネルギーで説明する。こうした膨張を可能にする力がなければ、宇宙には引き寄せる力の重力だけが残ることになり、膨張は止まって縮むことになる。「暗黒」という名前を付けたのは、現在の宇宙を説明するうえで必要な要素だが実体を確認できていないからだ。こうした理由で暗黒物質の検出はノーベル賞への近道と呼ばれる。

暗黒物質検出器が暗い地下空間に設置されたのはその特性のためだ。暗黒物質は他の物質に会って反射する光や電波とは違い、物質と全く反応しない。こうした理由で検出が非常に難しく、特殊なクリスタルを製作して検出装備として活用する。クリスタルは光や各種放射能物質に敏感に反応するが、地下にいくほどこうした物質を遮断できる。土と岩石が雑音物質をのぞく一種の濾過紙の役割をする。深いほど有利で、中国は地下2.4キロ地点に暗黒物質検出器を設置している。米国と日本もそれぞれ地下1.4キロ、1キロ地点に検出器を置いている。


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    2016.03.29 08:24
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    江原道襄陽郡点鳳山地下700メートルにある研究室では、この春から稼働する予定の暗黒物質検出器2号の準備作業が行われている。(写真=基礎科学研究院)
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