【コラム】文政権の「起-承-転-平昌」外交の罠

【コラム】文政権の「起-承-転-平昌」外交の罠

2017年12月22日07時57分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  超不確実性の年と見なされた2017年がもうすぐ終わる。この一年の国際情勢は予想通りだった。トランプ米大統領の米国優先主義、絶対権力を掌握した中国の習近平国家主席の膨張的対外政策、欧州の分裂などで揺れた。その真ん中に北朝鮮があった。2月12日の「北極星2」発射をはじめ、ミサイル挑発だけで17回。広島投下核爆弾の17倍規模の水素弾実験成功(6回目の核実験、9月3日)、米本土打撃可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」発射(11月29日)などで世界の安保地形を揺るがした。

  問題は今後の2、3カ月、北朝鮮が核弾頭の生産に入って名実共に核・ミサイル体系を完成できる期間だ。トランプ大統領が「時間は枯渇している」として軍事的オプションにまで言及する背景だ。大韓民国が核を頭の上に置いて暮らす運命が来年春にかかっているということだ。ちょうど平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)が開催される期間だ。

  就任2カ月目の7月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はベルリン宣言を通じて平昌を韓半島問題解決の契機とした。北朝鮮選手団を平昌に招請しながらだ。対北朝鮮メッセージは8・15光復節(解放記念日)にも続いた。「寝言のような詭弁」という北朝鮮の言葉にも変わらなかった。

  文在寅政権の安保コンセプトは「起-承-転-平昌」で一貫した。「THAAD(高高度防衛ミサイル)を追加配備しない」など、いわゆる「3不」を中国に譲った背景にも、習主席の平昌五輪出席とこれを通じた韓半島情勢の変化という狙いがあった。14日に屈辱外交という声が高まる中で習主席と並んで立ち、同盟の米国の対北朝鮮軍事オプションを宣言的に遮断したのに続き、文大統領は19日、平昌五輪期間の韓米キー・リゾルブ(KR)演習とトクスリ(FE)訓練の延期まで提案した。

  文大統領が平昌に行く列車の中で韓米連合訓練の延期に言及する時、ティラーソン米国務長官はカナダで「北朝鮮が核を放棄する準備ができていなければ対話しない」と宣言し、来年1月16日にバンクーバーで韓国戦争(朝鮮戦争)参戦国で構成された北朝鮮危機対応会議を主宰すると明らかにした。前日、ホワイトハウスが国家安保戦略(NSS)とマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)のインタビューを通じて「韓半島(朝鮮半島)非核化を強制するオプションも向上させる」として軍事オプションの可能性を強調し、北朝鮮を「ワナクライ」サイバー攻撃の背後とみて圧力を加える姿とも対照的だった。

  1978年から韓米が続けてきた軍事訓練は有事、すなわち北朝鮮の挑発または急変事態に対応する防御訓練だ。韓米連合軍が北朝鮮を先に攻撃したことはなかった。ラングーン事件、大韓航空機ハイジャック事件、韓国哨戒艦「天安」爆沈、延坪島(ヨンピョンド)砲撃のすべてが北朝鮮の挑発だった。韓米軍事訓練の中断と縮小は、北朝鮮と中国・ロシアが米国を韓半島から退かせるために推進する戦略的なカードだ。中露が手を握って「双中断」(韓米軍事訓練の中断と北核・ミサイル挑発中断)を昨年から要求する理由だ。

  韓米同盟に亀裂が生じるのを避けようとする米国が連合訓練中断案を聞き入れる可能性はある。しかし中国に対する「3不」公約、韓米連合訓練中断要求など中国に偏った韓国の外交を懸念する声が出ている。ワシントンの雰囲気をよく知る人物は「米国は今後、戦略的な問題を韓国と議論しない可能性が高い」とし「ヘイリー米国連大使が米国選手団の五輪不参加の可能性に言及したのもこうした不満から出てきたという話がある」と伝えた。

  北朝鮮が文在寅政権が差し出した手を握って核放棄に進めばよいが、国内外の専門家のうち金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が核を放棄すると考える人はいない。北朝鮮が五輪に参加して対話の雰囲気が醸成されるとしても、結局は「仮面舞踏会」になるだろう。私たちが追求する「平和オリンピック」が韓半島の安保体系を揺るがし、北朝鮮の核開発完了まで時間を与えるイベントになるという懸念が生じる理由だ。文在寅政権は北朝鮮に時間を与えた政府になるのだろうか。

  キム・スジョン/外交安保記者
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