このような制作会社主導のシステムは、言い換えると制作会社が知的財産権をすべて所有する方式だ。付加価値を最大化するために事前に各種付加事業を準備するのも大規模事前制作ドラマの共通点だ。『むやみに切なく』も制作会社（サムファネットワークス、ＩＨＱ）主導でさまざまな付加事業を準備中だ。

もちろん韓国ドラマの事前制作を触発したのも、また事前制作ドラマが主要ターゲットにしているのも中国市場だが、事前制作方式はデジタルプラットホームを乗って中国を越えて全世界に拡散させるためには有利だ。『むやみに切なく』は台湾・香港・日本など他のアジア地域のテレビや米国の動画ストリーミングサイト「ドラマフィーバー」でも公開される予定だ。サムファネットワークスのユン・ウンジョン次長は「字幕や吹き替えを準備することができるように事前にマスター編集版を送り、ぴったり同じ時間ではなくてもほぼ同じ時期に公開できるように準備している」としながら「ＳＮＳなどで全世界がリアルタイムでコミュニケーションしている昨今なので、可能ならば時差を縮めて紹介したいというのが購買者の立場」と伝えた。

これに先立ち、『星から来たあなた』を手がけた制作会社ＨＢエンターテインメントのキム・ヨンソン理事は「ネットフリックス（Ｎｅｔｆｌｉｘ）のような動画サービスはオリジナルドラマの全編を一度に公開したりもする」とし「国内チャネルだけでなく、このようなグローバルサービスを念頭に置くと事前制作は必須」と強調した。８月中旬に初放送される『シンデレラと４人の騎士』（ｔｖＮ）も海外投資・版権販売などを制作会社ＨＢエンターテインメントが主導した１００％事前制作ドラマで、すでに中国と版権契約を結んでいる。

もちろん、制作会社主導の事前制作がすべての国内ドラマに適用されるような状況ではまだない。ユン氏は「大型の事前投資を受けられる作品はそれ相応の俳優が出演するドラマであるなど、全体から見るとまだ特殊なケース」としながら「今後、良いストーリーが大規模投資を受けられるような底辺が次第に拡大していくことを期待する」と述べた。


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