<韓国旅客船沈没>不潔なトイレに仕切りなし…不明者家族の劣悪な環境

<韓国旅客船沈没>不潔なトイレに仕切りなし…不明者家族の劣悪な環境

2014年04月30日10時56分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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セウォル号沈没事故14日目の29日、珍島(チンド)室内体育館内に不明者家族が座っている。下の写真は2011年3月の東日本大震災後、岩手県の大槌高校体育館に設けられた被災者の避難所。今年、建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞した日本人建築家・坂茂氏が紙パイプと布で仕切りを設置して被災者家族ごとの私的空間を用意した。(写真=中央フォト)
  セウォル号の不明者家族が集まっている珍島(チンド)室内体育館は、24時間照明がついている。天井の大型照明が発散する光は睡眠を妨げる。家族は体育館の床にゴムマットを敷いて、その上に布団をかけて過ごしている。固いところで十分な睡眠がとれず首・腰に痛みがくる。まともに休めないために体力が減退して脱力症状を見せる人々も出てきている。

  仕切りがないため家族の日常は無防備にさらされている。体育館観覧席から放送カメラ4、5台がいつも家族を撮っている。不明者家族のIさん(45、女性)は「そうでなくても心が落ち着かないのに、人々が私たちの姿をつくづくと眺めながら通り過ぎるたびに気分が良くない」と話した。

  ほかの不明者家族を意識せざるをえない。布団1組で境界をつくってもいるが、小さな会話の声までみな聞こえる。彭木(ペンモク)港に子供を探しに出る両親の号泣の声、対策本部に抗議する声、子供の泣き声、孫を待つ老人のため息、電話のベルなど、あらゆる音にさらされている。

  不明者家族の居住環境を改善しなければならないという専門家の指摘が出ている。大韓神経精神医学会は29日「不明者家族が休める私的な空間を整えることが急務だ」という内容の声明書を出した。学会は「今のストレス状況で十分な睡眠を取ることができない場合、脱力と身体の病気発生リスクが増大する」として「近隣の宿泊施設を利用するよう支援して珍島体育館と彭木港に休息空間を提供すべきだ」と提案した。

  キム・ソンワン全南(チョンナム)大学精神科教授は「不明者家族が痛みを共にして情報を共有しようとする意は尊重すべきだが、今のようにストレスが激しい状況では私的空間がより重要だ」と話した。東日本大震災の当時、日本は共同生活空間に個別の災難救護用テントを支援した。

  ハ・キュソプ国立ソウル病院長も「正常な睡眠をとることができないばかりか事故の苦痛から抜け出すのが困難な環境にさらされている」として「家族の傷を回復するのには全く役立たない」と話した。

  こうした問題が提起されると政府は22日に仕切り設置の方針を明らかにしたが、いまだに行われていない。汎政府事故対策本部のパク・スンギ報道官は「プライバシー保護のために設置を推進したが、家族全体の合意がされておらず遅れている」として「家族が希望する場合、近隣の青少年施設に滞在場所を移せる」と話した。体育館の限られた施設も問題だ。ある不明者家族は「シャワールームが2カ所しかなく、人々があまりない時間帯を探して洗っており、体育館の外にある簡易トイレを使うのにも不潔な場合が多い」と話した。辞意を表明した鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相は29日、珍道郡庁汎政府事故対策本部で午前10時半から夜中0時まで、セウォル号救助・捜索関係機関の合同状況点検会議を開いた。鄭総理はこの席で各界の専門家が参加する諮問会議を開いて、効率的な救助・捜索作業案の摸索を指示した。

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