【社説】朴大統領、すべてを諦めて現実を直視せよ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.22 13:13
人の真の価値は進む時より退く時にこそよく現れるものだ。自分の間違いを否定して嘘で固め、残命にしがみつくのは醜い。検察の控訴状を受け取った朴槿恵(パク・クネ)大統領の一連の反応は一国の大統領としてふさわしくない。過去4年間、朴大統領を大韓民国の国政運営責任者として考えてきた国民の相当数は虚脱感に陥っている。朴大統領は事もあろうに大韓民国公権力の中枢である検察権を総体的に否定した。朴大統領は弁護人を通じて「検察による捜査結果の発表を見ながら、客観性と公正性を到底信じることはできないという判断に達した」と主張した。軍とあわせて大統領統治権の二大柱である検察の存在とその力をこのように正面から否定するとは、自己矛盾と国基(国家の基礎)否定も甚だしい。現職検察総長を任命した大統領自らが、その総長が指揮した事件を最初から最後まで否定するというのはこれ自体がもう一つの綱紀紊乱事件と言えるだろう。
一時、原則と信頼がトーレードマークだった朴大統領がこのように原則のない信頼できない人に豹変したのは残念なことだ。国の運命や国民の安寧はさておき、自身の任期だけは最後までひとまず終えて自身の安全を確保しようということではないのか。このように問題のある人格は世の中との共感を拒否する性向と無関係ではないだろう。この2日間、弁護人の控訴状反駁文と青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官の発言を仔細に見てみると、朴大統領は検察・特検・弾劾・国会推薦による首相の4大国政収拾チャネルをすべてはねつけるような態度を示している。