【社説】「諸刃の剣」韓米軍事演習の延期提案、自ら失敗を招いてはならぬ

【社説】「諸刃の剣」韓米軍事演習の延期提案、自ら失敗を招いてはならぬ

2017年12月21日16時06分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  19日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が明らかにした平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)期間中の韓米合同軍事演習の延期提案はいざとすれば主人も切れる「諸刃の剣」だ。文大統領はこの日「冬季五輪の前に韓半島(朝鮮半島)の緊張緩和のために韓米軍事合同演習の延期を米国に提案した」と米NBCとのインタビューで明らかにした。青瓦台(チョンワデ、大統領府)が交渉のパートナーに名指した米軍事当局ではまだ回答していないが、今の雰囲気では先送りされる公算が大きいように見える。

  日中首脳の参加もまだ定かでないため、どうにかして冬季五輪を成功させようとする文在寅政府の気持ちは理解できる。演習の先送りに鼓舞された北朝鮮が選手団を送ってくれれば五輪が平和に行われる可能性は大きくなる。いくら好戦的な北朝鮮だとしても自分の選手たちを送ってから挑発に出ることはしないだろう。

  そのうえ、11月に国連では五輪期間とその前後7日間は敵対行為を中断することを呼びかける「平昌五輪休戦決議案」が採択された。文大統領の構想通りに北朝鮮が五輪に参加すれば、これをきっかけに南北対話の端緒を切るかもしれない。さらに、北核危機を解決する糸口が見つかる可能性もないとはいえない。

  だが、このような構想には間違った認識が前提に置かれており心配だ。まず、韓米合同演習が平和な五輪の開催に足かせとなるという考え方は危険だ。北朝鮮が脅威を感じるかもしれないので演習を先送りしようというのは本質を知らないことだ。普通3月に実施する「キー・リゾルブ」(KR)および「フォール・イーグル」(FE)は攻撃でない防御訓練だ。特に、平昌五輪とパラリンピックが開かれる来年2・3月は北朝鮮が核搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成すると予想される時期だ。こうした時に強化しても足りない防御的訓練を先送りするというのは平昌五輪をむしろ危険にさらす可能性がある。

  合同演習の延期が北朝鮮による核挑発と韓米合同演習を同時に中断しようという中国の双中断論と似ているという点もすっきりしない。韓国政府は「双中断でない」と釈明する。だが、我々が中国の中に吸い込まれていくという間違った信号を与える場合、日米との信頼関係に大きなヒビが入るほかはない。

  北朝鮮が韓国の延期提案を受けるかも不明だ。金正恩(キム・ジョンウン)政権が平和のメッセージを蹴飛ばして五輪の前に挑発に踏み切れば、韓国は笑いものになるほかはない。最悪の場合、韓半島の状況が急速に悪化する可能性もある。合同軍事演習の延期という最後のカードまで切ったにも、北朝鮮が挑発を中断しないから軍事的オプションを使うしかないと米国が出る場合はどのように説得するか懸念される。

  文大統領が「合同演習の延期」を言及しただけに賽は投げられた。文大統領の勝負手が自らの失敗を招かないためには当局は様々な努力を注がなければならない。中国を動かそうが、既存の対北朝鮮チャンネルを稼動しようが、金正恩政権の挑発を防いで北朝鮮代表団が平昌に現れるようにするのが最善だ。さらに、経済制裁をより一層締めつけるのが北朝鮮の五輪参加を促すという事実も忘れてはならない。
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