【コラム】セウォル号教訓忘れた韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.03.28 15:31
「韓国で生活しながら不便なことはないですか?」という質問をしばしば受ける。私の答は常にこうだ。「ありません。話をしてみると受け入れてくれる融通性があって良いです」。
だが1つ非常に残念なことがある。交通規則を無視する人が多いという点だ。セウォル号事故が起きた時、私は赴任2年目の特派員だった。当時韓国メディアは「ルールを守ろう」と大々的なキャンペーンを行い、私は多くの期待をかけた。しかし大邱(テグ)地下鉄事故や聖水(ソンス)大橋崩壊事故などを見てきた歴代のソウル駐在日本人特派員が「韓国社会はいつも変わらない」と話したことがあるが今見ると、その言葉は正しいようだ。
昨年11月ソウルの「リトルトウキョウ」と呼ばれる東部二村洞(トンブイチョンドン)の交差点である日本人女性がバイクにひき逃げされた。青信号で横断歩道を渡っていた間にバイクが飛び出してきたのだ。現場の目撃者が警察に「配達バイクが事故を起こしたようだ」と証言したが、CCTVに映っていたバイクの番号は識別できなかった。警察はひき逃げ犯を捕まえられないまま2月に捜査の中断を通知した。被害女性は3週間、毎日病院に通わなければならないほどの大けがをして精神的なストレスまで受けたが、慰謝料も全く受けとることができなかった。