【社説】芸能産業も先進化・専門化で「システム」変えるべき
故人になった女優のチャン・ジャヨンさんをめぐり、あらゆるデマが飛び交っている。生前に作成したという文書に記されている「酒の接待と性の上納」と関係がある人物だとして、名前を聞けばすぐわかるような有名人が含まれた名簿までインターネット上に広がっている状況だ。
しかし、大衆の好奇心に軽薄なスコポフィリー(窃視症)が加わった根も葉もないうわさばかりに振り回されている場合ではない。事態の根本を見極めねばならない。チャン・ジャヨンさんへの暴行・脅迫説は、警察が徹底的に捜査し法に基づく処分をすれば済むことだ。波紋がこれだけ拡大したのは、芸能界がきちんとしたルールなしに大ざっぱに運営されてきたためと見られる。
ルールのない状態で、芸能人・芸能プロダクション・外注制作会社・テレビ局など利害当事者がそれぞれの利益を極大化することに夢中になり、その渦中に暴行や性上納などといったは不祥事が発覚したのだ。いわゆる「奴隷契約」をめぐる議論もそうである。芸能人、特に新人の場合、長くは10年を上回る契約期間のため、経済活動の自由を極度に抑圧されてきた。