【取材日記】元医師の脱北者の「最後の贈り物」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.24 13:42
23日午前8時ごろ、仁川(インチョン)の葬儀場。元産婦人科医師の脱北者であり韓国では清掃の仕事をして亡くなったキムさん(48)の出棺が死後10日目にあった。遺族など約50人が涙を流した。
キムさんは13日、仁川松島国際都市の高層ビル2階の内部ガラスの窓を拭いている途中、足を踏み外して地下1階に落ち、現場で死亡した。韓国に定着して10年目だった。
咸鏡北道清津市(チョンジンシ)の医科大学を卒業したキムさんが脱北を決心した理由は、肝臓が悪い妻を治療するためだった。先に脱北した妻の家族から「韓国は医療レベルが高い」と聞き、妻と娘の手を握って北朝鮮を脱出し、2006年8月に韓国に入った。