【社説】海外に職場を追い出せば韓国経済の未来はない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.12.05 10:32
労使の協力と政府の支援を基礎に競争力のある製造業の職場をつくる「光州型雇用」が事業推進から4年6カ月、結実を目の前にしている。光州(クァンジュ)広域市と現代自動車が昨日、光州自動車工場の設立に暫定合意した。争点となっていた賃金水準は現代車が当初要求した初任年俸3500万ウォン(約350万円)程度という。光州型雇用に会社が同意すればストライキも辞さないという現代車労働組合の反発が負担だが、とにかく光州型雇用が現実化する可能性が高まったという点は幸いだ。
光州に自動車工場が実際に建設されれば、地域に製造業の大規模な雇用が久々に創出されるという点で意味が大きい。過去20年間に国内に建設された自動車工場は1件もなかった。現代車は1996年の牙山(アサン)工場が、韓国GMは1997年の群山(クンサン)工場が最後だった。高い賃金と低い生産性、戦闘的な労働組合を理由に自動車企業が国内投資を避けて海外に出て行ったからだ。光州型雇用のような政労使共生モデルに他の地域も関心を見せている。韓国GM工場の閉鎖と現代重工業造船所の稼働中断で厳しい状況を迎えている全羅北道群山(クンサン)など地域の製造業中心地を生かす突破口となる可能性があるからだ。
ビジネス環境がよくないため海外に流出した雇用は自動車企業だけでない。国内で初めて自動運転車を開発したソウル大電気情報工学部のソ・スンウ教授が細かい規制が多い韓国を離れて米シリコンバレーで創業したということが昨日報道された。3年間にソウル都心6万キロを無事故で走り、自動運転技術を積み上げてきたが、韓国では投資も受けられず、事業モデルを出せなかった。カープールやUberなど新事業が規制と既得権に阻まれて一歩も踏み出せない韓国では、自動運転車技術だけで投資を受けることはできなかったという。