【コラム】MERS経済対策まで後手に回れば災難=韓国(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.06.15 10:40
MERSはソウル、京畿道(キョンギド)、仁川(インチョン)、大田(テジョン)という韓国の経済中心部で発生したため広範囲に影響を及ぼすだろう。セウォル号の時は国際的に警戒はしなかったが、今回は韓国を敬遠する雰囲気が歴然としている。セウォル号の時の経済衝撃が自意識的消費抑制のためだったとすれば、MERSは休業、隔離、出入り制限などではるかに衝撃が大きい強迫的経済活動抑制に根を張っている。人口2500万人のソウル、京畿道、仁川、大田の域内総生産は2013年基準で全国の51%に達し、消費支出は国全体の54%になる。セウォル号事故の時の民間消費増加率は1年で前年同期比3.8%から2.0%に1.8ポイント下落し、国内総生産(GDP)成長率を0.9ポイント引き下げた。
この程度の民間消費鈍化はソウル、京畿道、仁川、大田地域の民間消費支出が3.4%下落したのと同じで、全消費に占める割合が30%である娯楽文化、宿泊飲食、交通部門の支出が10ポイント下がるのに匹敵する計算になる。MERSによるこの地域の3分野の消費支出減少幅は前年同期比で10ポイント以上になるのはほぼ確実だ。2003年のSARS問題の時に香港の宿泊・飲食店業の売り上げは前年同期より35.1%減った。当時卸小売業売り上げも10.4%減少し、運送・保管業の売り上げは10.0%減った。
もしMERS拡散が6月中に沈静化しなければ状況はさらに悪化する。この地域の娯楽文化、宿泊飲食、交通部門の消費が例えば20%減少するなら、セウォル号事故の時の経済的衝撃の2倍になる計算だ。外国人観光客減少効果を加えれば衝撃はもっと大きくなる。大統領が「MERSが経済を萎縮させる要因として作用してはならないだろう」としながら先制的な対策を指示したことは正しい。しかし「まだ追加補正予算を編成する段階ではなく、不安心理拡散が経済全般に及ぼす影響を総合点検し、“必要に応じて”追加的な景気補完案を推進する計画」という話は正しくない。