【コラム】文在寅大統領だけが知らない経済危機の可能性(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.05 13:40
文在寅政権にとって労働改革は聖域なのか。政権誕生の産婆役といわれる全国民主労働組合総連盟(民主労総)は大統領の夕食会にも出席しないほど強気を見せている。社会的な対話機構の経済社会労働委員会への不参加を宣言し、21日にはゼネストに入る。
積弊の烙印を恐れる財界人は声を出せなくなっている。20年前の鄭世永会長は違った。1988年6月1日、労働組合のゼネストに対抗して6カ月間の工場閉鎖を宣言した。半月ほど過ぎると強硬姿勢だった労働者が動揺し始めた。ところが盧泰愚(ノ・テウ)大統領は「社会が不安定になって共産化するおそれがある」として再稼働しようとした。鄭世永会長はこの決定について労働組合に「押し通せば手に入る」という考えを抱かせると批判した。鄭世永会長は1987年から10年間に賃金が4、5倍に増え、先進国の英国より高くなったと遺憾を表した。1992年、労働組合が工場を不法占拠すると、工場に駆けつけた。鉄パイプで重武装した組合員にバリケードを片づけろと叱り、立ちはだかる組合員の覆面をはがした。激しく対抗すると思われた組合員の勢いは弱まった。ひとまず成功だった。しかし労働部次官が労働組合の幹部に会い、会社側の方針とは関係がなく一方的に交渉を妥結した。労使自律の原則を崩したのは政府だった。