【コラム】旧朝鮮総督府の建物、「歴史の傷跡」であることを(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.05.17 16:41
ドイツは第2次世界大戦で敗戦して苛酷な痛みを体験した。だが、それは戦争を起こしたドイツが自ら招いたものだ。要するにドイツは戦争の被害者でもなく、帝国主義が極めて旺盛だった時代でもなかった。だから彼が傷ついた私たちの歴史の痛みを理解できないのは、もしかしたら当然なのかもしれないという気がした。
旧総督府建物の撤去をめぐって当時の国内世論は猛烈に二分化した。恥ずかしい歴史も歴史だとか、子孫がしっかり保存しなければならないという一部の政界と学界の反論も侮れなかった。総督府建物の撤去に不純な政治的意図があるという批判も起こった。さらにある著名人の夫妻はこの問題のために離婚の危機に直面したりもしたという。夫が撤去を主導した政府の重責を引き受けるなら妻が離婚すると強く脅迫したといったほどで、韓国社会が総督府建物の撤去をめぐりどれほど激しく対立したか如実に物語るエピソードに違いない。