<浮上する自衛隊>(4)日米同盟を名分に防衛費「1%ルール」廃止?

<浮上する自衛隊>(4)日米同盟を名分に防衛費「1%ルール」廃止?

2017年11月24日10時53分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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米海軍イージス駆逐艦「ディケーター」(DDG 73)が日米両国の企業が共同開発したSM3迎撃ミサイルを発射している。(写真=米海軍)
  日米新蜜月時代を迎えた自衛隊が速いペースで進化している。有事の際に対応するという名目でパワーと速度を高めている。

  陸上自衛隊は機動軍に生まれ変わり、海上自衛隊はすでに旭日旗を翻しながら大洋を航海している。航空自衛隊は北朝鮮の核・ミサイル危機を口実に長距離攻撃能力と弾道ミサイル防衛という「矛と盾」を同時に備えようとしている。アジア・太平洋を越えてインド洋まで行き来する米軍の戦略パートナー、自衛隊の戦力を5回にわけて集中解剖する。

  「ミサイル防衛体制をはじめとする防衛力を強化する」。17日、安倍晋三首相は国会で所信表明演説を行い、北朝鮮の脅威に触れながら軍備拡大論を述べた。財務省が疲労感を訴えるほど財政的に厳しい状況だが、防衛費の拡大が避けられないという点を首相が自ら強調したのだ。

  また「あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取っていく」と述べた。事実上、今月初めの日米首脳会談で合意した米国産武器購買拡大を念頭に置いた発言と解釈されている。

  安倍政権が描いた防衛費拡大のマジノ線は国内総生産(GDP)の1.2%水準とみられる。これは保守シンクタンクの世界平和研究所が年初に発表した「米国新政権と日本-新時代の外交安保政策-」という報告書で提示した数値だ。元祖強兵論者の中曽根康弘元首相が率いる世界平和研究所は安倍首相の外交安保ブレーンと見なされている。

  同研究所はトランプ政権が発足すれば、米国が防衛費分担金引き上げカードを使って米国産武器購買圧力を加えると予想した。報告書でも「通常戦力で反撃能力を保有する必要がある」とし「こうした戦力を効果的・効率的に運用するためには米国が保有する攻撃能力と役割分担を明確にし、米軍の指揮・統制・情報(C4I)システムと連帯しなければいけない」と日本政府に方向を提示した。

  これは有事の際に自衛隊が米軍と一体となって動くためには各種装備の互換性が何よりも重要だという意味だ。米国産先端武器の導入や両国間の武器共同開発に傍点を打ったといっても過言でない内容だ。

  実際、来年3月に陸上自衛隊に創設される「日本版海兵隊」水陸機動団は米海兵隊と同じ装備を使う。すでにAAV7(BAEシステムズ製作)水陸両用車は導入し、垂直離着陸機V-22オスプレイ(ベル・ボーイング)は関連予算を確保した状態だ。次期水陸両用車の場合、両国が共同研究開発に入った。

  北朝鮮の核・ミサイル危機で迅速に強化している弾道ミサイル防衛(BMD)システムも状況は似ている。日本政府はロッキードマーチンの地上型SM3迎撃ミサイルシステム(イージス・アショア)を2基導入して日本全域をカバーできるよう、それぞれ東日本・西日本地域に配備する予定だ。イージス護衛艦でも使用するSM3ミサイル自体は三菱重工業とレイセオンが共同開発して生産している。また、射程距離を伸ばした次期型(ブロック2-A)も両社が共に開発中だ。

  安倍政権は現在の防衛費が主要国に比べて少ないとみている。今年の防衛白書によると、2015年基準で各国のGDPに対する国防費比率はロシア3.9%、米国3.4%、韓国2.4%、英国2.1%、中国1.3%。

  日本の防衛費は高度経済成長期だった1970-80年代にも当時の国民総生産(GNP)の1%を超えなかった。こうした基調が長期化し、「GDP1%ルール」という心理的抵抗線が形成された。すなわち防衛費拡大を防ぐ法的・制度的な装置はないということだ。

  日本政府は世論を眺めながら1%ルールを突破するタイミングを計っている。2012年の第2次安倍内閣以降、防衛費総額が増えている点もこうした雰囲気を傍証している。すでに防衛費は韓国の国防費(2017年、40兆3000億ウォン)を超えて久しい。昨年初めて5兆円(約48兆8000億ウォン)を突破した。今年も過去最大の5兆1251億円を確保した。

  こうした状況で防衛費をGDPの1.2%に引き上げる場合、予算は急激に増加する。内閣府の推算によると、2023年に8兆円を超え、2025年には8兆7000億円に達する見込みだ。しかし自民党の国防族などタカ派を中心に1.2%でも足りないという声が出ている。急激に軍事力を増強する中国に対応するためには、長期的に北大西洋条約機構(NATO)水準の2%まで高める必要があるということだ。

  防衛費の増額は日本国内の軍需産業競争力とも直結する。安倍政権は2012年、防衛省内に防衛生産・技術基盤研究会を設置した。軍需企業と常時協議する窓口として技術開発と人材養成を支援する。護衛艦1隻を建造するのに約2450の協力会社が必要なほど軍需産業の付加価値は大きいからだ。

  戦後の日本がダブー視してきた武器輸出の道も開いた。日本は1960年代から▼共産圏▼国連決議で禁止された国▼国際紛争の当事国や恐れのある国には武器を販売しないという「武器輸出三原則」を守ってきた。しかしこれを2014年に「防衛装備移転三原則」に変更し、武器輸出を許容することにした。さらに国際紛争の恐れのある国に対する禁輸まで解除して論議を呼んだ。

  国際軍需産業市場をノックしているが、まだ目立った実績はない状態だ。昨年、豪州潜水艦受注競争でそうりゅう型潜水艦がフランスの潜水艦に敗れ、力を注いできた水陸両用救難機US-2のインド輸出も実現しなかった。日本政府は現在1機あたり184億円のC-2輸送機をアラブ首長国連邦(UAE)に販売するため努力している。

  専門家らは日本産武器が高価であるうえ、実戦で立証された装備でないため受注を逃していると分析している。このため今後、米軍との実戦訓練などを通じて装備を改善し、国際市場にもアピールするという見方もある。

  米国との軍需産業協力も強まるとみられる。限られた予算の中で米国から大量武器購買圧力を受けるのを避けるためだ。防衛装備問題に詳しい大田康弘慶応大教授は「先端武器は導入価格はもちろん維持費用も非常に高い」とし「F-35Aステルス戦闘機の場合、日本企業が製作に直接参加して導入価格を低め、部品の需給および修理費の削減にもつながっている」と説明した。
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