「グーグルのベンチャー企業の買収・合併（Ｍ＆Ａ）基準は歯ブラシだ。歯ブラシのように誰もが使って一日に何度も使う技術かどうかをまず見る」。

世界を回ってＭ＆Ａ対象企業を発掘するグーグルの企業開発チーム（Ｃｏｒｐｏｒａｔｅ　Ｄｅｖｅｌｏｐｍｅｎｔ）責任者のアルバート・リー氏がソウルを訪れた。リー氏は２３日、ソウルのコンラッドホテルで中小企業庁が開催した「２０１４グローバル企業との出会いの場」行事で「グーグルのＭ＆Ａ戦略は歯ブラシテスト作業（Ｔｏｏｔｈｂｒｕｓｈ　Ｔｅｓｔ　Ｆｒａｍｅｗｏｒｋ）」と紹介した。彼は「海外でＭ＆Ａ対象企業を探すなら、創業者のラリー・ペイジと最初にするのが歯ブラシのような技術があるか否かを審査すること」といった。歯ブラシのように人間になくてはならない大きな効用を提供するのか、また誰でも使って毎日何度も使う技術なのかを確認するという話だ。

グーグルが韓国で物色中のＭ＆Ａの目標についても明かしてくれた。まさにロボティックス（Ｒｏｂｏｔｉｃｓ）技術だ。最近グーグルが力を入れている無人自動車やグーグルグラスなどにすぐに使えるロボティックス技術なら直ちにＭ＆Ａに出るということだ。事実グーグルは成功的なＭ＆Ａを通じて世界的な情報通信技術（ＩＣＴ）企業に成長した。

１９９８年の創業後、アンドロイド・ユーチューブなどＭ＆Ａを行った企業だけで１５０社余りに達する。リー氏は「グーグルにとっても買収・合併は依然として賭博のようなものだ」として「それでも絶えずＭ＆Ａにこだわるのは新たな成長と革新の機会を提供するため」と話した。

グーグルは企業を買収後は技術開発の情熱だけに投資をして、技術開発自体には介入しないという原則を守るという。リー氏は「スタートアップ段階の企業が望むだけ集中できるように、大変な財務・人材育成・法律などを一手に引き受ける」として「だが技術商用化の段階になれば５万人余りの全役職員がユーザーとして積極的に参加する」とした。最近買収した交通情報企業のウェイズを事例として挙げた。技術だけだったウェイズは、グーグルが買収した後２カ月でグーグルマップと連動したリアルタイム交通サービスを始め、４７００万人のユーザーを確保した。

グーグルのほかにもこの日の行事に参加したインテル・エリクソン・シーメンスのようなグローバル企業の関係者は「企業が成長するには、新生ベンチャー企業をＭ＆Ａすることほど良い方法はない」と口をそろえた。インテルのスディア・カッパム（Ｓｕｄｈｅｅｒ　Ｋｕｐｐａｍ）アジア・太平洋本部長は「アジア市場だけでＭ＆Ａのために年間３０億ドル（約３兆１０００億ウォン）を運用している」として「データセンターやクラウドのような技術企業ならいつでも会う」とした。インテルはこの１四半期だけでアジア地域で約６０社余りのスタートアップ企業に３億２０００万ドル（約３３７億ウォン）を投資した。

世界の半導体装備市場の８０％以上を掌握しているアプライド・マテリアルズのエイリーン・タングハル（Ｅｉｌｅｅｎ　Ｔａｎｇｈａｌ）買収合併チーム長は「競争力のある部品素材を作る中小企業が集中投資の対象」としながら「特に新素材や遺伝工学、ヘルスケア分野で技術のある企業を探している」と話した。

今回の行事は、韓国内の中小企業がグローバル企業と投資誘致やＭ＆Ａなどを議論できるように中小企業庁が用意した場だ。韓正和（ハン・ジョンファ）中小企業庁長は「国内２９社の創業・ベンチャー企業が参加してグローバル企業とマンツーマンで会った」として「グローバル市場のＭ＆Ａの流れを読んで、投資も誘致できる機会になるだろう」と話した。