<世界革新企業家、未来50年を語る>(11)オリンパス社長…「再生医療の時代が開かれる」(下)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.09 16:04
笹社長は未来製造業の勝負は「人」にかかっていると断言した。人工知能(AI)技術の発達とロボットの進化、人手が必要ないスマート工場の出現にもかかわらず、製造業の成敗は機械でなく人の手にかかっているということだ。笹社長はこのように説明した。「ビッグデータを基礎にした人工知能技術が発達し、機械が人に代わる時代が来た。しかし残念ながら人工知能には感性がない。仕事の方式をよく見てほしい。仕事は『チームワーク』で行われる。人間の協業になってこそ仕事ができるが、ここには感情が入っている。『たとえば、一緒に頑張ろう、一度やってみよう』というような感情だ。このような感情は機械では与えることができない。人のこの感情は特に危機が迫った時に光を放つ」。
笹社長はオリンパスの話を続けた。2011年に粉飾決算事件が起きた。初めての事態で会社は存廃の危機に立たされた。取締役会は2012年、「救援投手」に笹社長を指名した。「果たして私にできるのか深く悩んだ。その後3年が過ぎたが、本当の意味で市場の信頼を回復したかを考えると、まだそうではないようだ」とし、当時を振り返った。危機を乗り越えることができた秘訣を尋ねると、淡々と「未来の市場の流れを読み取ろうと努力した」と答えた。高齢化とそれに伴う医療費の急増、出生率の低下と人口増加率の減少のような流れを見れば、「逆風」も「追い風」に変えることができるという説明もした。