それでも状況が終わったのではない。トムソンロイターはこの日専門家の話として「世界の証券市場の取引量が目立って減るクリスマスシーズンが近づいている。こうした時は小さな火種ひとつが大きな火災（急変動）を起こす恐れがある」とした。こうした事態に備えるため市場参加者は連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の声明書とイエレンＦＲＢ議長の記者会見での発言を鋭意注視しなければならない。

いまや関心は米国の景気に対する判断に集中する。ＦＯＭＣ声明書の主に２段落目に入っている。主に「現在まで出てきた情報（景気指標）を基に～」という文で始まる。

これまでになかった文や段落が声明書に含まれたのかも重要だ。マクロ経済分析会社のディスマルサイエンティストのマーク・ジャンディは「米国経済とグローバル状況を考慮して引き上げを決めるという文章があるかどうかにより早期に２度目の基準金利調整が行われるか否かを計ることができる」と話した。ゴールドマンサックスなど米国投資銀行は来年３月ごろにＦＯＭＣが２度目の調整をするとみている。

基準金利引き上げを決めたとすれば全員一致だったのかも重要だ。引き上げに反対する委員の数が多ければ多いほど金利引き上げ速度が遅くなる可能性がある。反対に少なければ中道派であるイエレン議長らの意向により速度が決定される可能性が大きい。

米経済専門メディアのビジネスインサイダーはこの日専門家の話として「インフレ見通しや雇用市場などに対する判断も投資家が注視しなければならない。ＦＯＭＣ会議後に開いたイエレン議長の記者会見内容と声明書の間に違いがないのか確認するのも重要だ」と助言した。


心の準備は終わったか…アジア証券市場が一斉に上昇（１）