<創刊企画>日本IT界の神話、孫正義「志高く」(3)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.09.15 14:51
#父の店を救った12歳の少年
夢が多い少年だった私は、そのほかにも画家、詩人、政治家、事業家になってみたかった。 今でも時々、会議中にホワイトボードにトムとジェリー、スヌーピーなどの漫画キャラクターを描いたりする。 他の人たちはなかなかのものだと言う。 政治家になりたいというのは、差別を受けた在日同胞3世なら誰でも一度くらいは考えたことがあるだろう。 詩人という職業も頭にあった。
その中でも最も現実的な夢はやはり事業家になることだった。 それなりに資質も見せた。 12歳の時のことだ。 その頃、私の家族はかなり落ち着いていた。 親が苦労を惜しまず働いたおかげだった。 父はいろいろな商売に手をつけたが、ある日突然、小さな喫茶店をオープンした。 しかし幼い私の目にも勝算がないように見えた。 駅から遠いうえ、繁華街でもなかった。 コーヒー原料業者までも供給を避けた。 商売を始めることさえできなくなったのだ。 私が知恵を出した。 父に「無料クーポンを駅前で配ろう」と言った。 父は当然、「とんでもないことを言うな」と言った。 しかし私の意志も強かった。 結局、1000枚を刷って配った。 コーヒー供給業者を招待した日、そのおかげで喫茶店は大賑わいだった。 驚いた業者はとても安く、良い決裁条件でコーヒーを供給し始めた。 初期の費用は高くなったが、すぐに投資金をすべて回収した。 店はしだいに繁盛し、数年後にはかなりの高値で売却した。