【中央時評】勝者なき戦争、ガザの悲劇(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.08.11 15:53
ハマスも勝利を主張している。「ハマス打倒とせん滅」というイスラエルの目的が達成できなかったというのが一番の理由だ。イラン、シリア、エジプト、その他のアラブ諸国からの支援が途切れながら国際的な孤立を免れなかったハマスに、今回の侵攻が反転の契機になったという点も意味深長だ。生存のモメンタムを再び見出したことになる。しかしそのコストがあまりにも大きい。ハマスはたとえ武装テロ組織から始まったとしても、今では100万人を超えるガザ住民たちの生命と財産・安全の責任を負う公式的な政治・行政組織だ。イスラエルとエジプトの封鎖を外交的に解決してガザ住民たちの生活を向上させなければならない責務がある。しかし自身の生存のために住民を担保にしたのではないかという疑問の前に、ハマスもやはり敗者にならざるをえない。
米国も困難な状況に置かれた。双方の平和交渉を主導できた米国の最も大きな資産は「公正」という地位だった。この地位が消える時、米国に対する信頼と尊敬も共に消える。しかしオバマ政権はイスラエルの民間人殺傷を公開的に糾弾しながらも同じ日、イスラエルにアイアンドームの購買予算2億2500万ドルを支援することに決めた。米議会もやはりハマスをテロ組織と規定し、糾弾して一方的にイスラエルの肩を持つ決議案を通過させた。アラブ、イスラム圏が米国を不信に思うのはまさにこのような二重性のためだ。ハマスの瓦解を内心で歓迎してガザ事態に傍観的姿勢を取ったアラブ諸国もまた敗者の隊列から抜け出すのは難しい。まったく「令」を立てられなかった国連も同じだ。