【社説】大韓民国外交部の恥ずかしい自画像
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.09.06 08:29
柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官が先日、李明博(イ・ミョンバク)大統領に辞表を提出した。娘ヒョンソン氏(35)の外交部特別採用問題が浮上してから2日後だ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の関係者は「辞意を返戻しないものと理解している」と明らかにし、辞表の受理が確実視されている。李明博政権発足と同時に就任し、最長寿長官になった柳長官は、今回の波紋で就任2年7カ月目に途中下車し、37年の外交官経歴に致命的な汚点を残すことになった。柳長官の落馬は個人の不名誉を越えて外交部全体の恥辱であり不名誉だ。首将の墜落を契機に外交部は恥ずかしい自画像を振り返り、組織の面目を一新して、大韓民国の外交が生まれ変わる機会にしなければならないだろう。
柳長官は本来の業務のためではなく、娘の特別採用問題で長官から退いた。「バナナ共和国」でもなく、主要20カ国・地域(G20)首脳会議を主催する国でのことだ。2カ月後にソウルで開催されるG20首脳会議の参加国にはどう説明するだろうか。韓国の社会がまだこのレベルにしかならないのかという自己恥辱感で顔を上げられないという国民が多い。柳長官一人の辞表を受理することで済む問題ではない。
李大統領の指示で調査を進行中の行政安全部監査チームは、柳長官の娘の採用過程を一点の疑惑なくすべて明らかにする必要がある。問題点が確認されれば、すべての関係者に対して厳重に責任を問わなければならない。柳長官の娘とは知らずに採用手続きが進行されたという外交部の偽りの釈明に対しても責任の追及がなければならない。契約職として特別採用され、現在外交部で勤務中の外交官の子ども7人の採用過程についても監査チームが調べることにしただけに、これも徹底的に明らかにすることが求められる。それが逆差別論争を眠らせ、被害を防ぐことでもある。