１３日、日本沖縄県うるま市に位置した具志川野球場。ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の韓国代表チームの選手とコーチングスタッフがマウンドを中心に丸く円を描いて頭を突き合わせた。金寅植（キム・インシク）監督が「ファイティング」を叫ぶと、選手たちは拍手して善戦を決意した。ＷＢＣの韓国代表チームはこの日から訓練を初め、４回目の「偉大な挑戦」に出る。

２０１７ＷＢＣの韓国代表チームは歴代最弱王と評価されている。国際大会をリードした経験が豊富な老将金寅植監督も大きな負担を感じていた。彼は「（２０１５年１１月）２０１５ＷＢＳＣプレミア１２大会よりもっと緊張している。様々な問題を体験してきたが、今回のように予期せぬことがたくさん起きたのは初めて」と打ち明けた。

金監督の悩みは最初に構想した主戦メンバーのうち半分が抜けたことから始まった。メジャーリーグ（ＭＬＢ）で活躍している柳賢振（リュ・ヒョンジン、ＬＡドジャース）、朴炳鎬（パク・ビョンホ、ミネソタ）は負傷で除外され、秋信守（チュ・シンス、テキサス）、金賢洙（キム・ヒョンス、ボルティモア）は所属チームの反対にぶつかった。姜正浩（カン・ジョンホ、ピッツバーグ）は飲酒運転・当て逃げ事故で離脱した。メジャーリーガーのうちにはクローザーの呉昇桓（オ・スンファン、セントルイス）だけが代表チームに合流した。金広鉉（キム・グァンヒョン、ＳＫ）、鄭根宇（チョン・グンウ、ハンファ）、姜ミン鎬（カン・ミンホ、ロッテ）などＫＢＯリーグ代表チームの常連メンバーも負傷のせいでＷＢＣ出場が見込めなくなった。

金監督は韓国代表チームを率いて２００６年はＷＢＣ４強、２００９年は準優勝を収めた。日本・米国など野球最強国と接戦を繰り広げたＷＢＣ韓国代表チームの道のりは「偉大な挑戦」と呼ばれ、金監督は「国民監督」という愛称を得た。柳仲逸（リュ・ジュンイル）元サムスン監督が率いた２０１３ＷＢＣ韓国代表チームが組別予選から落ちると、２０１５ＷＢＳＣプレミア１２大会では再び金監督が指揮し、その年に韓国は優勝した。

結果からも分かるように、今まで「金寅植号」は客観的な戦力以上の力を発揮してきた。徳将の金監督の指揮の下で選手たちが愛国心と自信をもって一丸となったおかげだった。また、お互いの信頼を土台にした早くて正確な投手交代が韓国代表チームの最も大きな強みだった。特に、ＷＢＣはラウンド別に投手が投げられる球の数が決まっている。特級投手がいなくても引き続き投げることに成功すれば勝算はある。金監督が批判を甘受して呉昇桓をエントリーに入れた理由だ。

金監督は左手投手に梁ヒョン種（ヤン・ヒョンジョン、ＫＩＡ）、張元準（チャン・ウォンジュン、斗山）、車雨燦（チャ・ウチャン、ＬＧ）と右手投手に李大恩（イ・デウン、前千葉ロッテ）を選抜候補にのせた。梁ヒョン種が残りの期間に良いコンディションを維持すれば、選抜投手として選ばれる可能性が大きい。梁ヒョン種は「例年とは異なり、ペースを早く引き上げた。最も重要な試合に出たい」と話した。

４週間の軍事訓練が終わってすぐに代表チームに合流した李大恩は、コンディション回復に苦労している。韓国代表チームの宋津宇（ソン・ジンウ）投手コーチは「李大恩の意志は強いが、普通の投球をするためにはもっと見守る必要がある」と明らかにした。李大恩が回復すれば、車雨燦を救援投手として活用することができる。車雨燦は２０１５年プレミア１２大会当時、８強行きのチケットがかかったメキシコ戦で４対２でリードした５回に登板し、３イニングの間に三振８個を奪う力を見せた。２０１３年ＷＢＣ第１ラウンド当時、車雨燦は打者一人を相手（１被安打）して大会を終えた。彼は「２０１３年の汚点を消すためにも、今年の大会でもっといい成績を収めなければならない」として１３日、最初の訓練で救援投手に志願し、７０個の球を投げた。宣銅烈（ソン・ドンリョル）コーチは「車雨燦は選抜投手と救援投手両方に使える選手」といった。

金賢洙（左翼手）、秋信守（右翼手）、鄭根宇（２塁手）などが抜けた野手陣では主戦競争が激しい。崔炯宇（チェ・ヒョンウ、ＫＩＡ）、李大浩（イ・デホ、ロッテ）、金泰均（キム・テギュン、ハンファ）が中心打線を構成するものと見られる。先月末、ロッテと４年間１５０億ウォン（約１４億９０００万円）の契約を結んだ李大浩は、現在米アリゾナで所属チームの訓練に参加している。１７日から代表チームに合流する予定だ。ＷＢＣの初出場となる崔炯宇は「代表選手として選抜され、緊張感よりも責任感がもっと大きい。私たちは最高の戦力だと考える。チームが必要とする時、（ホームラン）一発を打てるように頑張りたい」と決意した。