【コラム】「軍用」が「私製」を上回る国のために=韓国

【コラム】「軍用」が「私製」を上回る国のために=韓国

2017年11月23日15時48分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  英国の工事現場やゴルフ場でよく目にする青いレインコートがある。薄い1枚の生地の上・下が別々の形だが、ズボンの上からそのまま着用できるよう大きくデザインされている。防水機能と通気性を兼ね備えた「ゴアテックス」で作られているのが人気の秘訣だ。英国で「国民レインコート」のようになったこの服は英国空軍の軍用品だ。インターネット市場で新品のような中古が上・下で7万-8万ウォン(約7000-8000円)で取引される点からみて、軍納価格はそれほど高くないと考えられる。ゴアテックスで作られた服は最近、韓国の登山家もよく着ているが、原価自体が高い高級商品に属する。とにかく英国の軍人は最高級レインコートを着ているのだ。

  我々がよく「バーバリー」と呼ぶトレンチ(塹壕)コートはその名前から分かるように元々は軍用だった。雨と湿気を防いで保温力も高いギャバジンという布を作った英国の会社がバーバリーだ。この服には軍人保護の精神が込められている。

  数年前にロシアを訪れた時のことだ。風邪気味だったためガイド役だった現地人と一緒に薬局に行った。薬剤師は一般製薬会社の薬を買うのか、軍から出た薬を買うのかと尋ねた。軍から出た解熱剤は少し高いが、薬効が良いと説明した。下痢止め、虫刺されの軟膏など旅行客が必要とするような薬も紹介した。ロシア語を読めないため正確に理解することはできなかったが、ブランドのデザインがなく文字だけが簡潔に書かれていた。確かに軍用であるようだ。ガイドが「私も軍用の薬をよく使う。軍用は含有量をごまかさない」と話した。

  強い軍事力を持つ国で目撃した、「軍用」は「私製」に劣るという常識を覆す事例だ。我々の世代は軍用の乾パンに入った星型の砂糖菓子と軍納たばこに旺盛な若者が余計な考えをしなくなる物質が入っていると疑って育った。もともと軍服は夏は熱く冬は寒いものと考えた。南大門(ナムデムン)市場で売られる米軍物品は高級品だと考えたが、国軍の物品は無料で与えられても特に喜ばなかった。

  最近、軍用品は驚くほど良くなっている。部隊内の商店(PX)で売るシャツや防寒用品は民間人の間でも人気だ。「生涯水虫」の元凶だった戦闘靴は過去に比べて軽くて履きやすい。「かたつむりクリーム」として知られるPX化粧品は品切れになり話題になった。軍人が使用する物の品質が良く、民間人もうらやましがるのは、かなり遅くなったが望ましいことだ。

  このため韓国の軍もかなり「先進化」したと考えていた。しかしこの信頼が一気に崩れた。板門店(パンムンジョム)であった北朝鮮兵士亡命事件がきっかけだ。この事件で韓国軍には夜に飛行できる医療用ヘリコプターがなく、将兵が銃傷で重体になっても軍病院で解決するのが難しく民間病院の世話になるという恥ずかしい現実が広く知られることになった。その間、何度か軍病院に外傷センターを設置するという計画が発表されたが、延期が続いた末、最近ようやく設計作業を始めたということも、この事件を通じて確認された。

  軍と医療界は京畿道城南市(ソンナムシ)の国軍首都病院に外傷センターができても、優秀な医療スタッフを集めるのが難しいと心配する。しかし経歴に合う処遇を保障し、専門性を高めて認められるシステムを整えれば、医師らが自ら集まってくるだろう。休戦状態の国で、すべての男性が兵役義務を負う国で、軍人の命を守ることほど崇高なことがあるだろうか。ここに使う税金に誰が不満を抱くだろうか。

  最近、国会では北朝鮮兵士の体内に見られた寄生虫に関する話が多い。このために我々の将兵搬送・治療問題はまた後回しになった。映画『南漢山城』を思い出す。上の人たちが政争をしている時、城を守って凍傷になった将卒がかぶっていたかますまで奪われ、腫れ上がった手足に豚の油を塗っていたあの場面のことだ。

  イ・サンオン/社会第2部長
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