【時論】戸曹兌換券の原版還収が意味するもの=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.09.04 11:27
最近の報道によれば、戸曹兌換券の原版は韓国当時に参戦した米軍によって違法に搬出されたが、その所有権譲渡のための競売は2010年に行われたという。米国務省職員の情報提供で駐米韓国大使館の法務協力官だったイ・ジョンチョル元部長検事が捜査を依頼して返還が行われた。これを見ると今回の戸曹兌換券の原版の還収は、韓国の最高検と米国土安保部移民関税執行庁傘下の国土安保捜査国(HSI)の間の緊密な捜査協力による文化財還収成果と言える。このような成果は、先に述べた米国連邦贓物取引禁止法を韓国戦争で違法流出した文化財の場合にも積極的に適用したという結果だ。
これまで韓国の海外流出文化財の還収は、ほとんどが外交的な交渉や市民団体などの努力によって行われていた。それと比較すれば今回の戸曹兌換券の原版還収は、国際法と米国の刑事法を適用した韓米両国の捜査機関の協力という刑事司法的なネットワークによって実現した初めてのケースという点で特別な意味がある。しかも近頃の国際刑事司法協力の主なイシューの中の一つが犯罪被害品・収益の還収であり、韓米刑事司法共助条約にもこのような規定があるという側面からも、今回の文化財還収は大きな意味がある。
今、米国だけでなく海外のさまざまな国に、相当多くの韓国の国宝級文化財が流出していることが分かっている。今回の機会に海外流出文化財の所在や流出経緯を綿密に調査し、利用可能な国際法的・国内法的手段を積極的に活用することによって今後さらに多くの文化財還収が実現することを望みたい。