【コラム】韓屋に込められた「一歩一景」の人生教訓
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.07.27 16:26
私は約2年前に韓屋(韓国式家屋)に引っ越してから韓国の建築・庭園・芸術について知りたいことがぐんと増えた。たくさん研究をして芸術家や建築家に直接会ったりもした。一つ気づいたことがある。韓屋は見るのも美しく、人生の教訓も得られる。時間が流れて季節が移ろう時に感じる畏敬感、ゆっくりと流れる人生とそれが与える感動、自然そのものの美しさに対する感心などのようなものだ。近ごろ、意味深く感じられる表現がある。一歩一景だ。
「一歩歩くたびに新しい風景が広がる」というこの言葉は、韓屋や韓国芸術でよく見られるテーマだ。韓国家具博物館を訪れた時にこれを初めて感じた。扉を開いて前庭に入ると博物館の一部だけが見える。一歩ずつ入ると、その時始めて隠されていた庭園や部屋が姿を表わす。米国を含めて多くの国では、家はひと目で全景が見えるように設計されている。恐らく家主の財物や権力を自慢して家の規模で訪問者を圧倒しようとしているのだろう。韓屋はわざわざ隠す。客は一瞬にして勢いに押さえられることなく、今見える場面からゆっくりと隅々まで深く鑑賞することができる。