【社説】副社長の一言で出発を遅延させた大韓航空
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.12.09 10:47
離陸のために滑走路へ向かっていた飛行機が再びゲートに戻る「ランプリターン」は時々ある。航空機の運航規定上、機体の欠陥で整備が必要な場合や乗客の安全に問題が生じた場合、持ち主がいない荷物を見つかった場合などだ。持ち主がいない荷物は爆発物と疑われるという点で、すべて運航の安全に関する場合にのみランプリターンをする。
ところが大韓航空はナッツ類を配るサービスに不満を抱いた趙顕娥(チョ・ヒョンア)副社長の怒号でランプリターンを強行するという、あきれるようなことが生じた。チョ副社長はニューヨークJFK空港で飛行機が滑走路に向かう途中、乗務員がマニュアル通りにナッツを渡すサービスをしなかったことに怒り、事務長に機内から降りるよう命令したため、飛行機が機首を返してゲートに戻ったということだ。このため約250人の乗客が搭乗していた飛行機の延着はもちろん、滑走路の他の航空機にも影響を与えた。
趙副社長は趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進グループ会長の長女で、オーナー家族の役員だ。現在、機内サービス部門などを担当しているだけに機内サービス水準に問題を提起することは分かる。しかしそれは社内の問題にすぎず、内部で解決することだ。副社長であっても飛行機に搭乗した時は乗客であり、乗客は機長と乗務員の指示に従わなければいけない。これは安全運航のための基本守則だ。また、滑走路では機長が乗務員の指揮・監督をはじめとする運航全般の責任を担わなければならない。