北朝鮮軍の最高司令官である金正恩（キム・ジョンウン）が特殊戦専門担当部隊である１１軍団の落下浸透訓練と空軍飛行訓練を参観したと朝鮮中央通信が２３日に報道した。この訓練には対南奇襲浸透用ＡＮ－２航空機が動員され、北朝鮮はこの場面を異例的に公開した。

朝鮮中央通信は、「（金正恩が）航空および反航空軍と第６３０大連合部隊の飛行訓練、航空陸戦兵降下訓練を指導した。訓練開始命令も直接下した」と伝えた。「暴風軍団」とも呼ばれる北朝鮮軍６３０部隊は平安南道徳川（ピョンアンナムド・トクチョン）に司令部を置いた１１軍団をいう。軽歩兵教導指導局と呼ばれていたが名前を変えたこの部隊は有事の際に対南奇襲浸透を遂行するものと韓国軍当局は把握している。

北朝鮮が公開した訓練映像には特殊部隊員が落下傘で仮想敵陣に浸透する場面が出てくる。また、数機のＡＮ－２が列を作ってアスファルトの道路に着陸する姿も現れる。北朝鮮は３００機余りのＡＮ－２を保有している。昨年１２月に刊行された国防白書は、「北朝鮮の特殊戦部隊がＡＮ－２で浸透し後方かく乱任務を遂行するだろう」と明らかにしている。北朝鮮軍事専門家は、「大統領就任式直前に対南奇襲浸透手段であるＡＮ－２を公開することで、『いつでも韓国を打撃することができる』という威嚇攻勢を取ったもの」と話した。

金正恩は訓練を見守った後、「戦闘力を総爆発させ、やつらが気がつく間もなく激しく責め立て、侵略の牙城を跡形もなく吹き飛ばしてしまわなければならない」と話した。訓練には崔竜海（チェ・ヨンヘ）軍総政治局長と玄永哲（ヒョン・ヨンチョル）軍総参謀長、金格植（キム・ギョクシク）人民武力部長のほかチェ・ギョンソン１１軍団長などが同行した。金正恩は３日連続で軍部隊の軍事演習を参観した。