【コラム】南北対話の発想を変えるべき時点だ

【コラム】南北対話の発想を変えるべき時点だ

2006年04月14日16時41分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  米国が北朝鮮に圧迫を加えることで瀕死状態に陥った6カ国協議に、日本が決定打を与えた。横田めぐみさんの夫が1978年に北朝鮮へら致された韓国人、金英男(キム・ヨンナム)氏」という日本政府の発表は、2つの効果を出した。

  第一は、米国が進めている「対北圧迫」に「千軍万馬」の力を与えたことであり、第二は、読売新聞の社説が指摘した通り、ら致が朝・日問題から南北(韓国・北朝鮮)と日本の問題へ変わったことである。日本政府が、6カ国協議代表らが出席した「北東アジア協力対話」(NEACD)に合せて、横田さんの夫・娘のDNA鑑定結果を発表したのは意味深い。

  北朝鮮にとっては息がつまる圧迫であり、韓国政府に対しては「これでもら致問題を対岸の火事のように思うのか」という追及であり、残り6カ国協議当事国にとっては「日本は6カ国協議の成功より、ら致問題の解決をさらに重視している」というメッセージだ。日本はこれで、6カ国協議を離脱する隊列に加わったのだ。

  米日の動きでさらに明確化したのは、両国は現在のように韓国の注文通り、偽造紙幣・人権・ら致などといった敏感な懸案を先送りし、「北朝鮮の核放棄」と「韓米日の反対給付」をやりとりするような取引はこれ以上しない、とのことだ。それは、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議に柔軟な姿勢で臨み、同協議を成功させたい、という盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の戦略の破産を意味する。

  韓国は、南北対話の基本的なパターンを変えなければならない状況に陥った。6カ国協議の運命が切迫した状況にあり、北朝鮮政権の非道徳な犯罪行為が何度も確認された以上、6カ国協議の失敗もあり得る、という前提のもと、南北対話の枠組み・幅・スピードを再調整し、北朝鮮が核開発へ向かう場合に備えた「包括的な韓半島戦力」も講じるべきだ。

  北朝鮮は進退窮まる状況にある。6カ国協議に臨めば米日の圧迫に屈するという印象を与え、同協議を拒否しつづけて協議が機能しなくなれば、さらに強化された米日の制裁を待たなければならなくなる。米日はすでに、北朝鮮の資金ルートを全て遮断する措置を取りはじめている。近く北朝鮮の対外活動は中断され、統治資金が枯渇した金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は、軍部強硬派を取り締まることさえ厳しくなるだろう。

  金委員長に残っている数少ない選択肢のうち最も望ましいものは、02年のような「大胆な決断」だ。同年9月、金委員長は小泉首相に日本人ら致を認め、謝罪し善処を約束した。当時、金委員長は妄動主義者がそうしたことを行った、という修辞を動員した。国家レベルで行われた犯罪を不特定の個人のせいにする苦肉の策だったが、効果はあったもようだ。

  北朝鮮は▽横田さんが生存しているかどうか▽死亡したならば死因--を公表し、娘キム・ヘギョンと夫・金英男氏の安否を韓国と日本の家族に知らせ、送還交渉に応じなければならない。問題は韓国政府だ。6カ国協議の成功のため偽造紙幣・人権・ら致問題などで北朝鮮を刺激しない、との戦略は期待された成果をあげられず、北朝鮮をスポイル(Spoil)してしまう結果だけもたらした。

  そして、北朝鮮問題の韓米日連携体制を乱れさせ、国際社会で韓国は「人権と国家犯罪に鈍感な国」と批判ばかりされた。もはや北朝鮮の機嫌を取るための小さな戦術は使えなくなった。大きな戦略が必要とされる。来週、平壌(ピョンヤン)で開かれる閣僚級会談から、いわゆる敏感な懸案についても堂々と言うべきことをいい、金英男氏の送還方法についても確実な言質を取るよう願いたい。

  論理的には、金英男氏は拉北者(北朝鮮へら致された人)485人の一人であり、約540人に把握された韓国軍捕虜もある。だから、金氏送還問題だけを別途で交渉することに負担感を感じるだろう。しかし国際社会の世論は、いつ実現されるか分からない拉北者・韓国軍捕虜の送還時まで彼の送還を待とう、という論理を受け入れがたい方向に流れている。

  発想を転換し、象徴性の高い金英男氏を先に連れてくることによって、残りの拉北者・韓国軍捕虜の送還の扉を開ける、という積極的な考え方が必要とされる。韓国が金英男氏を連れてきても、その功労の半分以上は日本のものになるが…。
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