米国は「障壁」、中国は「自強」 …韓国鉄鋼が東南アジアへ

米国は「障壁」、中国は「自強」 …韓国鉄鋼が東南アジアへ

2017年09月22日16時24分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  韓国鉄鋼業界が東南アジアなど新興市場に目を向けている。主要輸出先の米国・中国が輸入障壁を高めているからだ。

  世亜製鋼は7月、ベトナムのドンナイ省に工場用地を確保し、9月末までに設備を増設する。年産7万5000トン規模だ。世亜製鋼のベトナムでの生産能力は34万5000トンに増える。現代製鉄も最近、現地企業に今後1年間に5万トンの形鋼製品を供給することにしたほか、東国製鋼はベトナムに「海外コイルセンター」の建設を検討している。

  韓国鉄鋼企業がベトナム市場に力を注ぐ理由は、全国的に大規模なインフラ工事が進んでいるからだ。市場調査会社BMIリサーチはベトナムの建設市場規模が今年130億ドル(約1兆4000億円)と、前年比9.7%増えると予想した。これをはじめ、ホーチミン・ハノイなど大都市を中心に進行中の道路・鉄道・空港現代化プロジェクトにも144億ドルが投入される。ベトナムは鉄鋼自給率が低く、熱延鋼板・亜鉛めっき鋼鈑などの製品の韓国依存度が高いため、輸出の増加が期待される。現在ベトナムの鉄鋼輸入全体のうち韓国の比率は12.2%で3位。

  インドネシアもチャンスが多い。インドネシア政府は今年291億ドル、来年342億ドルをインフラに投資する計画だ。今年のインドネシアの鉄鋼製品市場規模は179億ドルと、前年比で13億ドル以上増える見込みだ。

  大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は報告書で「インドネシアの増える鉄鋼需要を国内でカバーできず、世界からの輸入が増えている」と説明した。

  インドネシアに最も注力している企業はポスコだ。早くから国営鉄鋼企業クラカタウスチールと合弁企業クラカタウ・ポスコを設立し、粗鋼生産を増やしている。権五俊(クォン・オジュン)ポスコ会長が3月にインドネシアのウィドド大統領と会うなど、現地への追加投資を念頭に置いている。

  権会長は昨年、タイ工場を設立し、「韓国内で鉄鋼で成長するのは不可能だ。成長潜在力が大きい東南アジアに関心を持って投資している」と述べた。

  現代製鉄は現代・起亜車の新工場増設と歩調を合わせて昨年メキシコにスチールサービスセンター(SSC、鋼材加工センター)を新設した。現代車の重慶工場の需要に対応する目的で重慶SSCにも投資を増やした。東国製鋼もタイ・インド・メキシコにコイル製造・販売体制を構築した。

  韓国鉄鋼企業が東南アジアに市場を拡大するのは、米国の輸入規制強化と中国の激しい追撃も理由だ。韓国貿易協会によると、韓国企業に対する貿易国の輸入規制は計187件(先月31日基準)。このうち鉄鋼・金属製品に対する規制が86件で最も多い。韓国政府が鉄鋼企業に支給する輸出補助金や振興基金が不当支援と見なされている。特に米国は韓国産鉄鋼製品の81%に反ダンピング・相殺関税を賦課している。

  コイル鉄筋の場合、中国鉄鋼企業が自国政府の莫大な補助金を背に生産量を増やし、価格が1トンあたり60万ウォン(約6万円)レベルに停滞している。収益性の改善は難しい状況だ。さらに韓米自由貿易協定(FTA)再交渉などの悪材料もあり、韓国鉄鋼企業の懸念はさらに強まる見込みだ。

  問題は東南アジアなどの新興市場が韓国だけのオアシスではないという点だ。河北鋼鉄や宝武鋼鉄など中国大手鉄鋼企業が最近、質的高度化に取り組み、東南アジア市場に定着しようとしている。

  ベトナム政府が輸入鉄鋼製品に対する輸入規制を強化している点も変数だ。ベトナムは今年に入って韓国産めっき鋼板にも反ダンピング課税賦課およびセーフガード(緊急輸入制限措置)を発動した。

  インドネシアも状況は似ている。

  KOTRAは報告書で「米国のほか新興国でも保護貿易主義が強まると予想される」とし「う回ダンピング防止規定の新設など新しい通商規制の動きに注目しながら対応戦略を準備する必要がある」と助言した。

  これに対し貿易制裁などの圧力を避けるための鉄鋼業界の競争力向上も必要という指摘だ。チョン・ウンミ産業研究院産業競争力研究本部長は「多くの韓国鉄鋼企業は、他社も販売できる製品を安く量産して輸出してきたため、中国との競争で劣勢になり始めた」とし「高品質・特化商品の開発による製品競争力の向上が貿易紛争を減らす最も効果的な方法」と述べた。
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