【社説】「権力ゲーム陰謀論」に広がった禹柄宇青瓦台民情首席秘書官問題=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.23 10:31
北朝鮮外交官の脱北、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備、補正予算処理など国の中・短期進路に関連する大型政策が議論されるべき時期に、「禹柄宇(ウ・ビョンウ)問題」が韓国政治にのしかかっている。政務的に処理するべきだった禹柄宇青瓦台(チョンワデ、大統領府)民情首席秘書官の進退は、いつのまにか彼の不正を調査した李碩洙(イ・ソクス)特別監察官の進退問題につながった。検察は大統領が任命したこの2人を同時に捜査しなければいけない未曾有の事態を迎えた。禹首席秘書官の問題は政権全体の命運にかかわる大型イシューに変わった。安保と経済の複合危機の暗雲が漂っているが、青瓦台・政党・国会・メディアなど国家の意思を形成して決める集団が特定人の人的清算問題に没頭し、残念でならない。
こうした中、青瓦台の関係者が昨日、「一部のメディアなど腐敗既得権勢力と統合進歩党の解散のため現政権に不満が多い左派勢力が協力して『大統領への揺さぶり』をかけたのが今回の禹柄宇問題の本質」と述べ、波紋が広がっている。禹柄宇問題の本質を大統領側近の公職者の不正や職権乱用、不適切な行為の問題と認識してきた今までの公論の枠を覆す発言だ。この関係者によると、「一部のメディア」が親朴勢力で保守政権の再創出は難しいとみて、朴槿恵(パク・クネ)政権の力を失わせるために「禹柄宇たたき」に動いたということだ。禹首席秘書官に対する問題提起の裏には、任期末政権のレームダックをあおる腐敗既得権勢力の不純な意図があるため、政務的な判断、すなわち禹柄宇首席秘書官の退陣のようなものはないというのが、青瓦台が国民に送ったメッセージだ。